
4/21。17時過ぎに打ち合わせと現場確認からアトリエへ戻る途中、神保町で地下鉄を途中下車して一旦休憩とこの日最初の食事。以前から行きたいと思っていた『さぼうる2』で、念願のナポリタン。店の場所は『さぼうる』のとなり。1970年頃に開業。

具は主にたまねぎとマッシュルーム。時折細切れのハムに出会う。ハンバーグセットとともにがっつりといただいた。

チープだが愛すべき味。昭和の喫茶フードに求められるものが、ここに極めて高いレベルで満たされている。食後の軽いコーヒーも含め大いに満足した。今度はミートスパゲッティをぜひいただいてみよう。
この味を心から旨いと思える世代に間に合って良かった。
さぼうる2/東京都千代田区神田神保町1-11/03-3291-8405
8:30-23:00(LO22:30)/日休
5/8。2月から調整とデザインを進めて来た『阿佐谷銘茶楽山新店』が着工を迎えた。この日の作業は既存内装の一部解体。

場所はJR阿佐ヶ谷駅からほど近いちいさな商店街沿いの木造店舗付住宅1Fで、なんと『ひねもすのたり』のとなり。堀部安嗣氏と面識は無いが、恥ずかしいものは作れない。
建物の築年数ははっきりしない。おそらく50年以上は経っているだろう。わずか26平米ほどの店先ではかつて肉屋、豆腐屋、美容室、空調設備工務店など様々な業種が営まれたそうだ。もとは長屋の一部だった様子で、左右の外壁の下地から隣接箇所を切り離した様子がうかがえる。コンクリート土間の入口側に割合急なこう配が設けられており、最上部には道路から30cmほどの高さがある。
上の写真は屋外テントと前面サッシを取り外し、解体業者さんの軽トラを店内に乗り入れた状態。テントの撤去跡の壁が予想外に痛んでおり、今後どう補修すれば良いものか少々悩ましいところ。

上の写真は店内の既存天井を解体した状態。白いビニールクロス張りの既存壁面に新しい床仕上レベルまで1mの墨出しラインが引かれている。幸い天井高さには余裕があり、最大で2.6m程度が確保できる。奥側に耐力補強を兼ねた間仕切りがあり、その向こう側にトイレとミニキッチン。今回そちらはそのままバックヤードとして使わせていただく。

上階の床裏には今ではほとんど見ることのない碍子配線が放置されていた。
久しぶりに味のある現場だな。
『阿佐谷銘茶楽山新店』は日本茶と海苔の専門店。オープンは6/2の予定。
4/10。原宿で打ち合わせの後、外苑前の駅への通り道にある『JIN'S GARDEN SQUARE 青山店』に立ち寄った。眼鏡などのアイウェアを中心に、バッグやアクセサリーと言った雑貨までを幅広く扱うショップ。同じ場所にあった『JIN'S GLOBAL STANDARD 青山店』(2006年3月オープン)を拡大リニューアルして2007年10月にオープン。内外装デザインを手がけたのは中村竜治建築設計事務所。
その空間は物販店舗として極めてユニークで、しかも実に楽しい。ベースとなるのは床壁天井を白く塗り潰した直方形。前面道路側はサッシュレスのガラススクリーンによって半ば開放された姿となっている。内部には躯体柱、疑似柱を含め数十本の白い四角柱がバラバラと林立し、それらの周囲を木製の棚が円形に取り巻く。円の中心は微妙にズレており、その高さはまちまちに設定されている。ダウンライトのレイアウトもバラバラで、特にどこを照らすでもなくフラットな光が店内全体を包み込む。

外から覗く限りでは少々雑然とした印象があり、一見して全体像を想像することのできないなんだかミステリアスな店だ。ところが、一旦内部へと足を踏み入れ、柱の間に狭くランダムに広がる動線を縫うようにして歩きながら、そこかしこに気になる雑貨を発見する感覚には、まるで森の中を散策するような喜びがある。こんなのはまともな店ではまず体験し得ないが、店として破綻しているかと言うと、驚いたことに、全くそんなことはない。棚メインの什器構成自体はこの種の店舗としてごく真っ当なもの。適所にミラーやフックもさりげなく設置されており、売場として違和感無く成立してしまっている。商品ディスプレイから察するに、店のスタッフもこの空間の使い勝手を楽しんでいるようだ。
ついに「売場を料理できる建築家」が登場したか。改装前の店もぜひ拝見したかった。こうした優れた作品性と話題性のある店が登場することで、かつて建築家にとってほんのアルバイトのようなものだった商業建築や店舗が、むしろ「カッコいい」仕事と本格的に見なされるようになれば喜ばしい。
・宮島達雄|Art in You 2/16-5/11 水戸芸術館現代美術ギャラリー
・ガレとジャポニズム 3/20-5/11 サントリー美術館
・サラ・ジー展 2/8-5/11 メゾンエルメス
・赤木明登「ふだん使いの漆の器」展 5/9-5/17 スペースたかもり
・奥原しんこ「眠る人」 4/11-5/17 SCAI THE BATHHOUSE
・稲葉寛乃展 5/6-5/18 gallery-58
・「ブナコ」のみたてもの展 5/12-5/17 GALLERY MITATE
・大団地展3 5/17-5/25 世田谷ものづくり学校IID GALLERY
・杉本貴志展 水の茶室・鉄の茶室 4/5-5/31 ギャラリー間
・「土色白磁」松野章弘展 5/20-6/1 GALLERY MITATE
・中村竜治展 5/22-6/3 OZONEリビングデザインギャラリー
・平城遷都1300年記念「国宝 薬師寺展」 3/25-6/8 東京国立博物館
・Italian Genius Now イタリア現代美術・デザイン展
4/29-6/8 イタリア文化会館エキジビションホール
・冒険王・横尾忠則 4/19-6/15 世田谷美術館
4/7。午前中に原宿、午後から阿佐ヶ谷で打ち合わせ。夕方に一段落して『ひねもすのたり』並びの『うさぎや』でひと休み。どら焼きが有名な和菓子店。上野広小路『うさぎや』の初代・谷口喜作氏ご令嬢が1948年に創業とのこと。
店舗はおそらく鉄骨造と思しい低層ビルの商店街に面した北側に、木造平屋の前半分だけを継ぎ足すようなかたちで設けられている。正面右手にある半間ほどのショーウィンドウに飾られた季節の菓子の可愛らしいディスプレイに目をやりつつ、木枠の大きなガラス引戸を開けて店内へ。
すぐ目の前にカウンターショーケースが置かれ、右脇の細い通路に沿ってテーブル席が2セット。カウンターショーケースの後ろからは首の高さほどの低い間仕切りが奥へと続いており、その左側にバックヤードへの動線、裏側にもう1セットのテーブル席が隠れている。
店頭販売と、計3セットのテーブルでのイートインの機能を無駄なくコンパクトにまとめたプランニングは実に見事だ。面取りの木造作に和紙調クロス、割石床が蛍光灯のシーリングライトに照らされた内装は、ごく正調ながら丁寧かつシンプルな造りで五月蝿さが無く、居心地が良い。
あんみつと豆かんを店内で。甘過ぎず、さっぱりと上品。どら焼きを購入して次の打ち合わせへ。

アトリエに戻って、煎茶とどら焼き。見目麗しく、丁寧な仕事を感じさせる品だった。さすがに上野広小路ほどの輝きは無いが、十分に美味い。他の和菓子も含め、またぜひいただいてみよう。
うさぎや(阿佐ヶ谷)/東京都杉並区阿佐谷北1-3-7/03-3338-9230
9:00-19:00/土・第3金休