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life of "love the life"

都市とデザインと : 新東京タワー

品良く控えめ。割合いい線に落ち着いたんではなかろうか。

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「そり」と「むくり」の造形が果たして日本的なのかどうかについてはまあ置いとこう。今後はむしろ付帯・周辺施設の動向に注目してゆく必要がある。新東京タワーが都市景観としていかなる価値を持ち得るか。それは結局のところ、人の手に届くスケールにあるデザインの質によって決定されるだろう。

Rising East Project
第二東京タワー(March 30, 2006)

2006年11月25日 05:00 | trackbacks (0) | comments (2)

オルタナ系日本茶 : 阿波番茶の謎

徳島県特産の阿波番茶は乳酸菌による後発酵製法で作られる世界的に見ても珍しいお茶。他の後発酵茶には中国のプーアル茶、高知県の碁石茶などがある。産地としては県南の那賀町相生地区や上勝町などが有名だが、もとは自生した茶を摘み取って作られていただけに、農家の庭先のようなところまで含めると、製造場所は山間部に広く点在している。
上品な香りとクリアな酸味は他のお茶では味わえない独特なもの。中国茶が好きな方ならまず間違いなく「日本にこんなお茶が!」と衝撃を受けることだろう。パッケージは概して簡素で、価格は極めて安い。5、6年ほど前に見つけて以来、我家では定番の品となっている。

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阿波番茶は私たちにとってまだ謎の多いお茶だ。品名は「番茶」と表記される場合もあれば「晩茶」の場合もある。ものによって驚くほど美味しいこともあれば、まるでダメな場合もあったりと品質の差は大きい。同じ産地・栽培者のお茶が店ごとに異なるパッケージで販売されていたり、いい加減なブレンドで素材が台無しになっていたりするのは日本のお茶業界では良くあることだが、信頼の置けるブランドネームが無いため、購入の際にはその場の勘だけが頼りとなる。その上、徳島市内で流通しているのは大手販売店による最悪のブレンド茶ばかり。まったくもって、商売下手な徳島県らしい特産物だ。全国的にブレイクすることはまず無いだろう。

いろいろ試してみた中でも常に安定して高いクオリティを保っているもののひとつがつるぎ町・大塚園の阿波番茶。いつもヤギの実家から道の駅・貞光ゆうゆう館で購入したものを送ってもらっている。他で手に入るものなのかどうかは定かではないため、人に薦めようがないのが辛いところ。写真はそのパッケージ。上の方を紐で括った状態で売られている。

徳島自動車道のパーキングエリアで売られていた阿波番茶にもとても美味しいものがあったが、商品名が『相生晩茶』とあまりに直球だったため、これまた他にはどこで流通しているのかさっぱり分からない。年末の帰省時にもう一度入手できたら詳しく調べてみよう。

2006年11月21日 23:00 | trackbacks (0) | comments (5)

落語初心者のメモ : 談志ひとり会 - 秋冬三夜・2006/11/13

11/13。『談志ひとり会 - 秋冬三夜』の第二夜を見た。国立劇場演芸場はこぢんまりとしたいい会場だった。しかしアプローチに華やかさのかけらもないのが勿体ない。

この日の立川談志師匠は声の調子がかなり悪いようだった。この三年くらいの間に何度か見た高座の中でも、これほど辛そうな状態を見るのは初めてのこと。ご本人曰く「自殺しないので精一杯」。それでも『つるつる』で演じた太鼓持ちの、軽薄でしかも奥行きのある人物像は素晴らしく味わい深いものだった。こうした卓越した表現としみじみとした感覚は、やはり近年の談志師匠ならではのものだ。
仲入りをはさんでの『青龍刀権次』は講談がベース。ある事件を目撃してしまったばかりに牢屋と娑婆を行き来するはめになる運の悪いちんぴらのエピソードが、江戸末期から明治初期の時代の移り変わりを背景に、淡々と語られるのが印象的だった。

全体に談志師匠の芸を見る上では十分な内容ではあったものの、過去に見た高座のような研ぎ澄まされた空気感はそこには無かったと言わざるを得ない。聴衆を前にして満足な芸を見せることができないことの辛さ、もどかしさは相当なものだと思う。この至芸を見ることができるチャンスはもう数少ないかもしれない。

公演のパンフレットに載せられた談志師匠の愚痴まじりのコメントに面白いくだりがあった。曰く、立川流の落語はその内容こそ現代的・個性的にアレンジしてはいるものの、発声については伝統のトーンが残されている、とのこと。トーンの違った落語はもはや落語と呼ぶには怪しいが、確実に落語は変わり、立川流は大衆から浮いてしまった、とこぼしている。
芸は世につれ。愚痴を額面通りに受け取るつもりはないが、一見アヴァンギャルドな立川流にこそ伝統が色濃く残っているのだとすれば、落語を見る側としても考えさせられるものがある。

何を持って「伝統」とするか、と言う問題は、デザインの現状においても重要なんじゃないか。

立川談志
立川談志(Wikipedia)
立川談志独演会・2004/5/28
立川談志独演会・2005/1/22
談志VS文珍ふたり会

2006年11月17日 18:00 | trackbacks (0) | comments (0)

都市とデザインと : finerefine銀座松坂屋店

11/3。新プロジェクトに向けてインテリア、雑貨、ステーショナリーなどを扱うショップをいくつか視察。中でもデザイン的に最も感心したのが銀座松坂屋B2Fにある『finerefine』(ファインリファイン)。大手アパレルメーカーのワールドが展開するインテリアライフスタイルストア。2005年3月にオープン。インテリアデザインを手がけたのは小林恭氏、小林マナ氏が主宰する設計事務所イマ

まずはその規模の大きさに驚いた。エスカレーターを下ると、松坂屋本館のB2Fほぼ全てが『finerefine』だ。

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広大なフロアはスケールの大きな什器やパーティションによっていくつかのエリアにざっくりと、かつ明快に区切られている。造作にはルーバーや窓が多用され、視線は隣接するエリアからエリアへと自然に誘導される。床にはクルミの無垢材が敷き詰められ、白いペイントによる塗り分けが売場と動線との境界を示す。天井はほぼ全面スケルトンで、造作らしいものはほとんど無い。

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什器類の多くはラワン下地にペイントを施したもの。木地を生かした優しい質感が、他の大型インテリアショップとは一線を画するこの店の大きな特徴となっている。さりげない装飾性と、什器としてのフレキシビリティを、極めてシンプルなディテールで同時に実現するデザイン手法が実に見事。
また、写真ではよく見えないが、enamel.によるグラフィックワークが要所でアクセント的な役割を果たすと同時に、空間全体に統一感を与える存在となっている点は興味深い。

全体を通して、まさにローコスト・ハイクオリティの見本のようなショップデザインだと言える。このスケールの物販店をこれほどぶれ無くまとめあげるために要する努力とセンスは並大抵のものではないだろう。大変勉強になりました。

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さて、商品へと目を向けると、その価格帯は最近のインテリアショップとしてはかなり高額だ。家具に関しては10万円以下の商品はほとんど無い。100万円前後のチェストやソファが当たり前のように置いてある様子は今や新鮮ですらある。デザイン的にはクラシカルな形状に現代的なカラーリングや仕上げを施したものが多い。都心のマンション高層階にシャンデリアを吊るしてしまうような人種が好みそうなテイスト、と言ったら語弊があるか。

『finerefine』の優れたショップデザインは、その内実がコストを切り詰めたものでありながらも、バブリーな商品群を取り込んで違和感が無い。しかし、おそらくこの店を訪れる人の多くはこのショップデザインの素晴らしさに気付くことはないのだろう。

立派なインテリアアイテムを揃えはしても、空間そのものの貧しさには気付かない。この店のマーケティングがそんな人たちに向けられているのだとすれば、あまりに出来過ぎだ。

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2006年11月13日 12:00 | trackbacks (0) | comments (2)

食べたり飲んだり : 浅草・あんですMATOBA

11/1。今戸での打合せからの帰り道に観音裏の『あんですMATOBA』に初めて立ち寄った。的場製餡所のアンテナショップとして1980年から営業しているベーカリー。

煉瓦風タイル張りのビル1Fにある店舗は、そこそこ広さはあるものの実に簡素なつくりで、いかにも近所のパン屋さん、と言った雰囲気。この日店に立っていたのはおばちゃんスタッフがお二人。商品棚にはあんパンだけで十数種類がずらり。他にもジャムパンやクリームパンなどが並ぶ。さらにショーケースを覗くと様々な餡製品がまたずらり。思わず目移りしてしまったが、やはり先ずは名物のあんパンをいただくことに。

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購入したのはこしあんぱん、マロンあんぱん、柿あんぱん、うぐいすフラワーの4種類。

こしあんぱんの美味しさは噂に違わぬものだった。甘さ控えめで小豆の風味が豊かな餡が見事。適度なもっちり感のあるパンと桜の花との相性も申し分無い。これぞあんパンのスタンダード、と言いたくなる絶妙なバランス。

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上の写真はこしあんぱんをふたつに切った状態。真ん中に桜の花の塩漬け。

マロンあんぱんと柿あんぱんは餡自体に作り込みが過ぎた印象。ケミカルな風味が個人的にどうも受け入れ難い。見た目に最もアヴァンギャルドなのはうぐいすフラワーだが、意外にも違和感が無いどころか実に美味しくて驚いた。一口食べると途端に餡とパンとの素晴らしい共演が繰り広げられる。デザートとしての完成度の高さは最早あんパンの概念に収まり切らない。

次回は京風あんぱん、白あんパン、小倉フラワーあたりを試してみたいな。

あんですMATOBA/東京都台東区浅草3-3-2/03-3876-2569
9:00-18:30/日祝休

2006年11月10日 07:00 | trackbacks (0) | comments (0)

食べたり飲んだり : 小豆島素麺・甚助

我家では素麺が年中の常食。ここ10年くらいの間、いただくのは専ら小豆島産の『島の光』。人によっては素麺なんてなんでも同じだろうと思われるかもしれないが、食べ比べてみると産地やメーカーによって味も食感も全く別物と言って良いほどに異なるものだ。

最近になって猫野ぺすかさんから『甚助』という素麺があることを教えてもらった。『島の光』と同じく小豆島産で、これが相当美味いらしい。素麺食いとしてはこれはなんとしても試してみなくては。と言うわけで、ホームページを発見して早速お取り寄せ。

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実のところ『島の光』というのは小豆島手延素麺協同組合のブランドネームで、正確には『甚助』は『島の光』の一種にあたる。パッケージを解くと、麺を束ねる帯には『島の光』と印刷されている。購入したのは会員限定商品の手延素麺セット。黄金蔵糸、大吟穣貴珀、古麺、かたくり太素麺、そして普通の素麺の5種類が少しずつ詰め合わされたもの。

いただいてみて正直驚いた。特に素晴らしかったのは黄金蔵糸。まさか素麺で本場の讃岐うどんと比較したくなるほどのコシを味わうことができるとは。原料の小麦を60%研磨したという大吟穣貴珀は、さすがに風味の際立ちが別次元だ。
極寒製の素麺を二年ねかせたという古麺は、上の二品ほど突出した特徴が無い分バランスに優れており、これまた素晴らしい。おそらく『甚助』の美点を最も良く象徴する製品だろう。かたくり太素麺は冷麦好きには堪らない製品。普通の素麺は古麺に比べると総合点は下げざるを得ないものの、それでもなお明らかに食感、風味ともに『島の光』に勝る。恐れ入りました。

とは言え、『島の光』だって都内で普通に手に入るどの素麺よりもずいぶんと美味いのだ。恐るべきは小豆島の食文化。今後は財布と相談しながら『甚助』と『島の光』を使い分けることにしよう。

甚助
島の光

2006年11月06日 19:00 | trackbacks (0) | comments (5)

食べたり飲んだり : 浅草・幸福

10/26、と言うか日付はちょうど27日に変わった頃。長引いた打合せの帰りに外で食事を摂ることに。風邪気味でパワーダウン中だったこともあって、しっかり焼肉をいただくことにした。

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個人的最強焼肉店『大昌園』に行く手もあったが、またも新規開拓。国際通り沿い、浅草ビューホテルの北にある『幸福』。先日訪れた『金楽』の姉妹店。1フロアの店内には無煙ロースターのテーブルがゆったりと並ぶ。

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この日のナンバーワンはタン塩。分厚い。さっくりと噛み切れる。そして心地良い弾力。素晴らしい食感と旨味。

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注文を取りに来た若いスタッフはあまり日本語が得意ではなく、塩で頼んだつもりの上ハラミと上カルビはタレで登場。ま、いいか。同じメニューは『金楽』でもいただいたが、こちらはずいぶんと味付けの手が込んでいる。スパイシーで、いかにも新陳代謝が高まりそう。肉の質もなかなかのもの。やはりハラミ最高。ホルモン、ミノ、ギアラ、レバー、コブクロの盛り合わせも素材の質が良く満足。

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上品な味付けのナムル。出汁の上質さが際立つコムタン。どちらも美味い。

価格は焼肉店としては標準的。雰囲気やサービスからして全体的にリーズナブルな店であるとは言い難いが(ここのところアタリが続いたので焼肉店への評価が辛めになってるかも)、遅い時間にこれだけの肉と料理が味わえるのは有り難い。

幸福/東京都台東区西浅草3-27-25/03-3843-2358

2006年11月05日 03:00 | trackbacks (0) | comments (0)

空間デザイン読本 : 7人の商空間デザイン

メディアにはさして多く顔を出さず、世間の狂騒とはあたかも無縁であるかのように飄々と、長年にわたって傑出した作品を生み出し続けているクリエーターがどのジャンルにも存在する。本人が望んでそうした境遇を選んだのかどうかについては、まあ人それぞれなのだとは思うが、個人的には彼らへのある種の憧れを禁じ得ない。おそらくそれは、作品の質以上にタレント性の有無がクリエーターの商業的な成否を決定してしまう前世紀的モダンマーケティングの支配から、彼らが自由な存在であるように思われるからだろう。

高村英也氏、奥脇文彦氏を中心に編集された『7人の商空間デザイン』(1986/六耀社)に登場するインテリアデザイナー・植木莞爾氏、江藤一人氏、北原進氏、黒川恭一氏、高見慧氏、原兆英氏、吉尾浩次氏の7人は、皆そうした人物。その1980年前後の作品がこうしてまとめられていることは、実に奇跡的と言っていいかもしれない。

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植木莞爾氏(1945年生)はカザッポ&アソシエイツ代表として活動。近年では『Apple Store』(1号店からのコンセプトデザイン/2001)や『マーメイドカフェ本郷三丁目店』(本郷/2003)などを手がけている。掲載作品はAXISビルの『リビングモティーフ』(六本木/1981*改装のため現存せず)、ブティック『アルファ・キュービック』の連作など。また、『MoMA』(NY/2004)をはじめとする谷口吉生氏による建築作品のインテリアデザインは、多くが植木氏の手によるもの。そのコラボレーションの原点である『安比グランドホテル』(岩手/1985)のインテリアもこの本に掲載されている。

江藤一人氏(1938年生)はID総合デザイン事務所、ID総合計画研究所、日本空間の代表として活動。掲載作品は『東京ブラウス大塚店ショールーム』(北大塚/1979)、『エクセーヌプラザ青山』(青山/1983)など。同時期には『パルコ』(1975-1978)や『京都VOX』(京都/1982)などの環境デザインも手がけている。シンプルな中にもテイストを感じさせる手堅いブティック作品が多くを占める中で、『フューチャーパブアルファ』(京都/1981)の濃厚なモダニズムとユニークなプランニングが異彩を放っている。近年の活動については情報が無い。

北原進氏(1937年生)はフォルムインターナショナルを経てKIDアソシエイツの代表として活動。近年ではコレド日本橋の『セレンビリティ』(日本橋/2004)や『渋谷エクセルホテル東急』(渋谷/2000)のなどインテリアを手がけている。この本の掲載作品は『ザ・ギンザ』(銀座/1975)、『京王プラザホテル・ヤングバー』(新宿/1971)など。同時期には『銀座東急ホテル』(銀座/1971)や『フジエテキスタイル』(千駄ヶ谷/1971)などの傑作も生み出されている。

黒川恭一氏(1939年生)はガウディの代表として活動。スーパーマーケット『いかり』(この本には箕面店(大阪/1985)が掲載されている)の連作は、今だ多くの消費者の脳裏に鮮烈に焼き付いていることだろう。他の掲載作品『松坂屋中込店』(長野/1979)、『ウジタフレッシュガーデン』(和歌山/1981)などを見ても、あまりに洗練されたスーパーマーケットのデザインに驚嘆する。近年に目立った作品が無いことは残念だが、大型商業施設の分野で黒川氏の成し遂げた成果は多大なものだ。

高見慧氏(1937年生)はタカミデザインハウスの代表として活動。掲載作品は『ワコール銀座ファッションルーム/ティーサロン』(銀座/1970)、『新宿高野本店フルーツフロア』(新宿/1980*改装のため現存せず)、『レストランバーケイ』(青山/1985*改装のため現存せず)など。ワコールとのコラボレーションは長く、青山スパイラルの立ち上げにも大いに関わりがあると聞く(この辺の詳細は調査中)。ファッションルーム/ティーサロンのFRPによる美しい造形と、一切の妥協の無いディテールは伝説的。このファッションルームは1975年にバンコクへ移設されている。近年の活動についてはあまり情報が無い。

原兆英氏(1945年生)は弟の成光氏とともにジョイントセンターの代表として活動。近年ではD-BROSプロデュースのショップ&カフェ『キャスロン』(宮城/2002)、『三宅歯科医院』(岡山/2003)、『ワコールディア銀座並木通り店』(銀座/2004)などのデザインを監修している。掲載作品は喫茶『ポケット』(湯島/1977)、喫茶『トレノ』(北大塚/1980)、ジャパンショップの展示会場『オーヤマ照明』(1983)など。どの作品にも共通するのは、徹底して厳格な幾何学性と、その中で際立つ自然素材やライティングの優しさだ。こうしたテイストはアトリエから独立した小泉誠氏にも確実に継承されている。

吉尾浩次氏(1940年生)はインテリアデザインオフィスnob(ノブ)の代表として活動し、現在は匠屋nobを主宰。近年では倉庫施設のリノベーションである『鷹場の湯』(三鷹/2006)、『ダイヤ108』(神戸/2003)などの建築プロジェクトが目立つ。掲載作品は喫茶『ランズ』(大阪/1975)、ドライブイン『シティライト』(大阪/1980)、バー『夢中』(新宿/1985)など。シンプルな素材使いと大胆な空間構成に時代性を超越した強さを感じる。アトリエにはかつて野井成正氏も在籍し、また塩見一郎氏もここから独立した。

高村英也氏による序文はとても簡潔だが、発行後20年を経た今なお、都市デザインとインテリアデザインに関わる者にとって、指標とも戒めともなり得る。

2006年11月02日 08:00 | trackbacks (0) | comments (2)
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