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食べたり飲んだり : 河原町三条 梅園

2010/8/8。『梅園』河原町店に初めて伺った。1927創業の甘味店。東京浅草の『梅園』との関係はおそらく特にない。

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河原町三条の交差点を左手に気をつけながら南下。しばらく行くと間口わずか二間あまりのこぢんまりとした店構えが見つかる。左半間はショーケースで、右半分がエントランス。赤い暖簾と引戸をくぐり店内へ。

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通路幅は客とサービスの動線を兼ねるにしては驚くほど狭い。レジとキッチンをすぐ左脇に見ながら奥へ行くと、客席は右手に半間だけ店の幅が広くなっている。通路を中央に挟んでコンパクト過ぎるテーブル席が8つほど詰め込まれた様子はある種壮観だ。蛍光灯に照らされた内装は網代風の天井にベ黄土色の左官壁。他の部分は客の姿に隠れてほとんど目に入らない。

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表のショーケースで一際目を引くのが独特な姿のみたらし団子。上の写真はその近景。直方形の団子(写真では円筒形に見えるが)が4個ずつでひと串串になった様子が面白い。食感は『みよしや』『加茂みたらし茶屋』に比べるとわずかに固めで素朴な印象。こちらはわらびもちとのセットの全景。

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この日は宇治ミルクのかき氷もいただいた。氷はきめ細かでふわりとした舌触りを残して一瞬で消え入る。一方、抹茶の風味は濃厚。美味い。みるみる解けてゆくスピードと競争するようにしていただいた。

小体で可愛らしい店構えに安心感のある甘味。今度は粟ぜんざいをいただいてみよう。

梅園河原町店/京都府京都市中京区山崎町234-4/075-221-5017
10:30-19:30/無休

2011年01月31日 17:00 | trackbacks (0) | comments (0)

ちょっといい風景 : 島根県 連理玉椿

島根県州旅行(その1その2)のおまけ。写真はクリックで拡大。

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2010/8/6。八重垣神社の正面、道路を挟んだ向かいにあるカッコいい椿の大樹。こちらがその由来の立て札。こうした『連理玉椿』もしくは『夫婦椿』と呼ばれる二股の椿が境内にも何本かある。

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こちらは根元の近景。見上げると丸々とした立派な枝がひろがる(上の写真)。こちらは椿から神社正面への眺め。

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上の写真は神社正面鳥居の左脇にあるカーブミラー。千木付き。スチール製。

八重垣神社(Wikipedia)

2011年01月31日 15:00 | trackbacks (0) | comments (0)

都市とデザインと : 島根県立美術館と島根県立古代出雲歴史博物館

『出雲大社庁の舎』に続いて、島根研修旅行で訪ねた場所をふたつ。

2010/8/6は『島根県立美術館』へ。建築デザインはこちらも菊竹清訓建築設計事務所。オープンは1999年。以下、写真はクリックで拡大。

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出雲往来の側にある駐車スペースから館内へ。高い天井の波打つフォルムが大きなガラス面越しの宍道湖へと連なるインテリア。ディテールはあくまで控えめに押さえられている。こちらはロビーから展示室へのアプローチにあたる中二階。ベンチのかたちはロゴマークとお揃い。

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上の写真は屋上から松江城方面を眺めたところ。光る湖面と銀色の屋根が融け合う様子が美しい。こちらは宍道湖側からの外観。こちらは屋上の全景。中央にあるカバの像のそばにはこんな立て札が。

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湖畔にある屋外彫刻のうちひとつは籔内佐斗司氏作の『宍道湖うさぎ』(別アングルの写真)。文脈といい配置といい実に完璧なインスタレーション。楽しい。

島根県立美術館
島根県立美術館(Wikipedia)

2010/8/7は『島根県立古代出雲歴史博物館』へ。建築デザインは槇総合計画事務所。出雲大社の東隣に2007年オープン。残念ながら十分に見る時間が無く、外観の写真はこちらを除いてほとんど撮ることができなかった。東入口からギャラリーを抜けて受付へ至るとガラスの箱状の開放的な空間。内部にはショップ、カフェ、展望テラスが空中歩廊を介して連なる。

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上の写真は2Fの空中歩廊から西側を見たところ。こちらは1Fで東側にある展示室棟を見たところ。たたら製鉄の壁面の表情がガラスとは対照的だ。こちらは3F中央の展望テラス脇から下階を西側へ見下ろしたところ。ガラス越しの北側屋外にひろがる植栽は水田を思わせる。中央奥に見える白い三角屋根は工事中の出雲大社本殿。

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受付脇から展示室棟に入ると中央ロビー。上の写真はその奥から受付側を見返したところ。北と東の壁に沿ってL字に配置された低いパーティションがあり、表面に散りばめられた半透明の部分から内部の照明が漏れ出している。

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上の写真は中央ロビーの真ん中にあるショーケースを空中歩廊に連なるデッキから見下ろしたところ。中の「宇豆柱(うずばしら)」は出雲大社本殿1248年造営時の遺構と言われ、直径1.4mほどの杉材をを3本束ねたもの。同様の柱が計9本あり、当時の本殿を支えていたらしい。一体どれほど巨大な建物だったのか。

島根県立古代出雲歴史博物館
島根県立古代出雲歴史博物館(Wikipedia)

2011年01月26日 00:00 | trackbacks (0) | comments (2)

都市とデザインと : 島根県 出雲大社庁の舎

2010/8/6から一泊二日でインテリアデザインコース3回生の島根研修旅行。いろいろと巡った中でも8/7に訪ねた『出雲大社庁の舎(ちょうのや)』が最も印象深い。菊竹清訓建築設計事務所1963年の作。以下、写真はクリックで拡大。

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バスターミナルから北へと向かい、土産物店を過ぎて神楽殿の手前を右へ。堀川を渡るとこの建物の南側(上の写真)に出る。こちらはやや南西側、こちらはやや南東側から見たところ。

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上の写真は東側のほぼ全景。南北両端の階段部で支えられた2本の大梁に東西面のルーバーが立てかけられている。稲掛けをモチーフに明快な構造で表現された造形は極めて力強い。階段部のレリーフパターンがその象徴性をより一層高める。

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東側中央やや右寄りにあるメインエントランスから通路を抜けて建物の西側へ出ると、左手いびつな壁面が突出し(上の写真)、刈穂をイメージさせる意匠となっている。こちらは右手のルーバーを見たところ。後付けの無粋な壁面緑化がなんとも痛々しい。残念。

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上の写真はエントランスからすぐ左手に行ったところ。ここにはもともとイサム・ノグチがデザインしたオリジナルの巨大なペンダントライトがあったとのこと。お目にかかれずこれまた残念でならない。

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照明はかなり少ないが、ルーバーを通した自然光のおかげで室内は明るい。上の写真はメインエントランス側(北側)を見返したところ。先ほどのいびつな壁面は左手の階段に合わせて構成されている。

シンプルで、かつ装飾的要素を十二分に消化した見事なデザイン。まさに名作。静かな感動がやがて大きく胸に迫る。

出雲大社は現在「平成の御遷宮」の最中で、全体の様子を拝見できるのは2016年以降(本殿の工事は2013年に完了予定)。また改めて伺うとしよう。

出雲大社
出雲大社(Wikipedia)

2011年01月20日 02:00 | trackbacks (0) | comments (2)

都市とデザインと : 香川県 栗林公園

2011年あけましておめでとうございます。と言いつつ引き続き昨夏の話題を。

8/1。犬島ツアーから一夜明けて高松『うどんバカ一代』で遅い朝食。この日は瀬戸内国際芸術祭2010に敢えて背を向け『栗林公園』をじっくりと堪能することにした。高松平野にモコモコと隆起し独特の景観をかたちづくる山塊群の一角、紫雲山を借景とする回遊式の大名庭園。1625年に生駒家が築庭を開始し、その後水戸徳川家が100年あまりをかけて造営。1700年代半ばに概ね現在見る姿となった。私たちが前に訪ねたのは20年以上前。幸か不幸か、その時のことはほとんど何も覚えていない。以下、写真はクリックで拡大。

東門から讃岐民芸館、商工奨励館を右に紫雲山へとまっすぐ進み、芙蓉池から左へ。鶴亀松を過ぎて箱松の奇観(全景近景)に感心しつつ道なりにしばらく歩くとようやく最大の見所へ到着。南湖と掬月亭(きくげつてい)を中心とする見事な庭が圧倒的スケールとともに展開される。

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上の写真は南湖南から紫雲山を見たところ。水際や植栽の造形が際立つ。こちらはもう少し紫雲山寄りの楓岸と呼ばれるエリアから掬月亭を見たところ。杮葺の直線的な屋根が控えめで良い。東岸には飛来峰と呼ばれる築山。その右脇にある吹上の美しい湧き水がこの庭園の水源となっている。

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上の写真は飛来峰の頂から見た南湖全景。手前に偃月橋(えんげつきょう)。南湖の北岸をなぞり、根上り五葉松の脇を過ぎて、別名「大茶室」とも呼ばれる掬月亭へ。西側に設けられた管理棟の脇から縁側を介して初莚観北棟に上がる。ここから東に向かって初莚観、さらに掬月と三つの棟が雁行配置されている。こちらは南側の庭から見た初莚観外観。こちらはその庭を見返したところ。左手に見える八畳の茶室の場所は初莚観と掬月の接続部にあたる。先ずは初莚観北棟でお茶とお菓子をいただいて、いよいよインテリア探索。

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上の写真は初莚観を東側へ向かって見た全景。広々とした座敷から白州、根上り五葉松を介して南湖へと視界がひろがる。和紙貼り天井のすっきりとした空間。床の間の背面は黒漆塗りの井桁菱格子で、その外側は紋紗貼りの障子。実に明朗でモダンな意匠に驚かされる。こちらは雨戸下桟のディテール。こちらは東の庭から蘇鉄の植え込み越しに掬月を見たところ。

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そして上の写真が掬月を東側に向かって見た全景。こちらは西側を見返したところ。この棟だけに格天井が奢られている。南湖に向かって張り出すように配置され、三方が縁側となったインテリアはほとんど庭の一部。清々しく開放的なことこの上ない。

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上の写真は掬月東縁側のディテール。欄干の端に設けられた僅かな傾きが庭へと向かう意識を加速し、飛び立たせる。何とも心憎いデザインだ。

これほどの壮大なスケールをもつ庭でありながら細部まで一切の手抜かり無く、至って品良くシンプルな意匠でまとめあげられていることに心底恐れ入った。この状態を維持することに要する手間と労力を考えると気が遠くなる。何たる意気と趣味の良さ。

栗林公園
栗林公園(Wikipedia)

2011年01月03日 02:00 | trackbacks (0) | comments (0)
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