
・櫻井靖子 作品展 6/24-7/5 酉福
・松井冬子について 6/19-7/5 成山画廊
・井上雄彦 「最後のマンガ展」 4/19-7/6 上野の森美術館
・デザイナー誕生:1950年代日本のグラフィック 4/19-7/6 印刷博物館
・「飾り:日本美の情熱」展 5/24-7/13 サントリー美術館
・ニナ・バイエ&マリー・ルンド "A Circular Play"
6/13-7/19 ワコウ・ワークス・オブ・アート
・梅佳代 「じいちゃんさま」 6/17-7/21 リトルモア地下
・町田久美 Snow Day 7/1-8/2 西村画廊
・建築がうまれるとき ペーター・メルクリと青木淳
6/3-8/3 東京国立近代美術館ギャラリー4
・倉俣史朗+小川隆之展 7/8-8/7 ギャラリー「夢のカタチ」
・対決 - 巨匠たちの日本美術 7/8-8/17 東京国立博物館
・建築がみる夢 石山修武と12の物語 6/28-8/17 世田谷美術館
・NIPPONの夏 - 応挙・歌麿・北斎から「きもの」まで -
7/12-8/10,8/13-9/15 三井記念美術館
・小袖 江戸のオートクチュール 7/26-9/21 サントリー美術館
・浅葉克美ディレクション「祈りの痕跡。」展
7/19-9/23 21_21 DESIGN SIGHT
・古伊万里展 いろゑうるはし 6/29-9/28 戸栗美術館
・村野藤吾 建築とインテリア - ひとをつくる空間の美学 -
8/2-10/26 松下電工汐留ミュージアム
・大琳派展 - 継承と変奏 - 10/7-11/16 東京国立博物館
5/1。しもきた空間リバティで『「らくご渦」春風亭栄助独演会「食らえ丼飯っ!!」』。普段着っぽい格好で栄助さんが登場。何の前振りも無く淡々と一人コントが始まる。落語家の育成施設・NRC(New Rakugoka Creation)の面接というシチュエーション。落語界をくすぐり倒しつつ、ベタ根多の実演で爆笑させる。続いて栄助さんで『野ざらし』。小気味良い展開。八五郎の妄想ぶりが圧巻。東京ガールズの寒風吹きすさぶ俗曲に衝撃を受けた後、三たび栄助さんで自作の新作『リアクション指南』。京言葉のお師匠さんがサディスティックな高笑いとともに暴走する。猛毒のような落語。ヤバい。もうかなり効いてきた。
5/14。国立演芸場で『柳亭市馬独演会』。開演に少々遅れて市馬師匠から。徹頭徹尾無駄を削ぎ落としたミニマルな『不動坊』。たい平師匠の『不動坊』のオリジナルはこれか、と納得。仲入を挟んで白山雅一先生の歌謡声帯模写ショー。御歳83。ささやくようでいて限りなく透明でのびやかな歌声に痺れる。続いて市馬師匠で『鰻の幇間』(うなぎのたいこ)。はめられたことを了解しつつ、全く暗くならずにその境遇を楽しんでさえいるような太鼓持ち。清々しく、見ていて晴れやかな心持ちになる。この感じは市馬師匠にしか表現できないんじゃないか。
5/17。三鷹市芸術文化センター星のホールで『立川談春独演会 春談春』。開演前に『赤めだか』サイン会。首尾よくゲットして感激。立川こはるさんの『手紙無筆』に続いて談春師匠で『天災』。クールに登場するも徐々に煽られてしまう心学の先生と、どうしようもなく凶悪なのにどこか憎めないがらっぱちの決して噛み合うことのない問答が絶品。仲入を挟んで談春師匠で『大工調べ』。師匠の『大工調べ』を聞くのは昨年3月以来二度目。八五郎のとぼけ具合が見事に制御され、前回以上に登場人物の個性がかみ合い、棟梁の啖呵も絶好調に冴え渡る。鳥肌もののカッコ良さだった。
5/26。東京芸術劇場中ホールで『三遊亭白鳥・柳家喬太郎二人会 デンジャラス&ミステリアス』。白鳥師匠の『ねずみ』を枕の終盤から。ご自身の貧乏体験を絡めたりしつつ、宿屋の親子をちょっと意地の悪いキャラクターとして描く。動物の登場する根多は白鳥師匠にぴったり。筋書き通りでありながら、見事に個性的な『ねずみ』に思わず唸る。続いて喬太郎師匠で自作の新作『ハンバーグができるまで』。メロドラマ的展開の小品。仲入の後、ふたたび喬太郎師匠でやはり自作の新作『夜の慣用句』。セクハラ&パワハラオヤジの生態を思い切り誇張しつつ克明に描写する。ある意味『大工調べ』の棟梁にも通ずる切れ味とアナーキー。喬太郎師匠の禍々しくも魅力的な一面を久しぶりに拝見した。トリは白鳥師匠で自作の新作『アニメ勧進帳』。ややエピソード多め。それにしても給食の献立のところでは思い切り爆笑させていただいた。
5/30。深川江戸資料館小劇場で『笑福亭三喬独演会』。笑福亭喬若さんの『へっつい盗人』に続いて三喬師匠で『禁酒関所』(禁酒番屋)。話芸そのものは至って緻密かつ端正。それでいてビジュアルと噺のトーンからはなんともとぼけた味わいが漂う。会場がすっかりほんわかした空気感で包まれた後、ふたたび三喬師匠で自作の新作、と言うかご自身の家族の変遷とその周辺にまつわるエピソード根多にした『我家のアルバム』。関西ならではの親密な人間模様にますます和む。仲入を挟んで三喬師匠で『三十石船』。舟歌に鳴りもの入り、登場人物入り乱れての楽しく華やかな根多。見たことのあるはずもない淀川下りのイメージが、高座から客席へふわりとひろがった気がした。品ある緩さ。
5/10。ウヱハラ先生のルーテシア号で水戸芸術館へ。宮島達雄展を見た後、ひたちなか市の『サザコーヒー』本店で珈琲と食事。帰りがけに千葉県『流山おおたかの森 S・C』に立ち寄り『JIN'S GLOBAL STANDARD 流山店』を見た。2007年3月オープンのアイウェア店。内装デザインは中村竜治建築設計事務所。
ショッピングセンターはつくばエクスプレスと東武野田線のターミナル駅に併設されているが、道路からアクセスすると周辺は未開の荒野のような状態。唐突に出現する巨大な積み木状の建造物の姿は蜃気楼のようで現実味に乏しい。駐車場棟から売場へ入り、フロア中ほどの吹き抜けに横付けされたエスカレーターで2Fへ。目当ての店は通路を挟んだ正面右手に現れた。

床も、壁も、天井も、全てフラットなオフホワイトに塗り込められている。角地にあるほぼ正方形の店舗区画を斜めにスライスするようにして壁造作が連続し、客はその間にある狭い動線を通り抜けつつ、壁に設えられた奥行きのちいさな棚什器に並んだ眼鏡フレームを手に取って吟味する(棚什器コーナー部分)。

壁の途中には奥へとショートカットのできる開口があり、客は割合不自由無く売場を動き回ることができる(通路と壁の開口)。角から見て最奥の隣地側には検眼や眼鏡加工のためのスペースとレジカウンターが売場をL字に挟むようにして並んでいる。均質化された空間のそこかしこにあしらわれたサイズの異なるミラーの効果と相まって、店内はまるで迷宮のようだ。要所に用いられたモールディングがその印象をより強調し、深みを増す。

什器構成そのものはアイウェア店として至極真っ当なもの。しかし店舗のプランニングとしてこれは全くの異常事態だ。なにしろ店内にその全体像を伺える場所がどこにも無いのだから。たしかにレンズも入っていない未調整の眼鏡フレームが万引きされることはほとんど無いだろうことは頭では理解できるとは言え、これを提案したデザイナーと了承したクライアントのチャレンジには心底敬服する。まさに目から鱗。
際限なく歩き回っているうちに、自分の居場所がはっきりしない感覚に陥って、なんだか少し気持ち悪くなってきた。吹き抜けのそばのベンチでひと休み。それにしても不思議で楽しい店だ。店舗のデザインにこんな可能性があったか、と思うと希望が湧いて来る。
JIN'S GARDEN SQUARE 青山店(May 6, 2008)
5/4。サントリー美術館でガレを見た帰りに『hLam』(ラム)の前を通り掛った。レナウンが取り扱うイタリアのアパレルブランドのブティック。2007年4月に東京ミッドタウンとともにオープン。その時点ではさほど気に止めなかった店だが、何度かミッドタウンへ足を運ぶうちに、その印象がだんだんと強くなってきた。内装デザインはWonderwall(片山正通氏)。

可動什器を除く全ての造作はエントランスを中心軸とする左右対称に厳しく構成されている。羽目板張りの天井とウッドフローリングの床は同じピッチで仕上がっており、この空間の持つ緊張感を一層高める。設備類の配置は完璧以上。特に空調などはデザインの重要な一部と言って良い。ファサード両側のショーウィンドウと店内中央のショーケースを形作る大きな曲面ガラスは、冷たくぬめるような質感を主張する。

一方、表面を白く塗り潰した細かな横格子のストック、斜めに立てかけられたミラー、エントランスのドアなどの佇まいはいかにも欧州ブランドのブティック然としている。徹底して人工的な入れ物としての空間と、古風なディテールの対比を、色温度の高い間接照明が白々と浮かび上がらせる。
美しきアンビバレンスとでも言おうか、この感じは片山氏の多くの作品に共通するが、『hLam』のそれは特別計算高く、洗練されたものであるように思われてならない。
・2010年を目途に一般白熱電球の製造を中止(東芝ライテック・2008/4/14)
・一般的な白熱電球の製造、販売中止について(三菱電機オスラム・2008/6/16)
・地球温暖化対策への取り組み(NECライティング・2008/6/20)
ここ2ヶ月ほどの間で立て続けに報じられた白熱電球に関するメーカー各社の取り組みについてのニュースを読む際に、最も重要で、かつ一般的に見落とされがちな点は、ここで言う「白熱電球」の種類が極めて限定的であることだ。各社とも、将来的な製造中止または大幅な減産に伴い電球型蛍光灯やLEDへの代替を進めるランプ(光源)は、E26タイプの口金(直径26mmのネジ式)を持つ白熱電球のみと発表している。
電球と聞いて大抵の中高年が思い浮かべるいわゆるふつうの電球の口金がE26だ。このタイプのランプが照明の主流を占めた時代はせいぜい1970年代前半までだろう。その後、一般家庭の照明のほとんどが丸形か直管形の蛍光灯を用いる器具に入れ替わっている。私たち自身、実家では長らく蛍光灯のもとで育った。
蛍光灯を好まない家庭ではE17タイプの口金(直径17mmのネジ式)を持つミニクリプトン球を用いることが多い。このランプは一般的な白熱電球の中では最も明るくコンパクトなもので、ダウンライトやペンダントライトなど多様な形状の照明器具に用いられる。E17の電球型蛍光灯もあるにはあるが、ミニクリプトン球よりもサイズがひとまわり大きいため、代替の可能なケースはほとんど無い。
そんなこんなで、実際のところE26の白熱電球が生き残っているのはバスルームや玄関など2、3カ所程度、という家庭がおそらく大半ではないかと思う。とうに過去の遺物になりつつあるランプを今さら排しますと発表されたところで、遅きに失した感は否めない。ともかく上記のプレスリリースは何ら画期的なものではなく、場当たり的なイメージ戦略程度の中身でしかないことを、私たち一般消費者は理解しておく必要がある。