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食べたり飲んだり : 京都かき氷コレクション2012

8月上旬。「紫野和久傅」堺町店へ。場所は御池通から堺町を少し南下した東側。京町家改修の内外装デザインはアシハラヒロコデザイン事務所。オープンは2005年。1Fに物販、その奥の急な階段を上がった2Fに茶菓席がある(ファサードの写真店内の写真)。「宇治金時のソルベ」をいただく。和久傅名物のれんこん菓子「西湖」のきな粉掛けとのセット。

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ソルベにしたことで、氷を削った上にシロップをかけるかき氷とは違い、濃厚な抹茶の風味を終始均一な状態で楽しめる。しかも控えめな甘味、小豆とのバランスが絶妙だ。宇治金時のあるべき姿を合理的に追求した一品。こちらは同時に注文した「グレープフルーツゼリー」。細かく刻まれたゼリーと果肉が合わさることで、まさに美味しいとこ取りの状態に。

紫野和久傅 堺町店/075-223-3600/京都市中京区丸木材木町679-20
11:30-LO18:00(物販10:30-19:30)/無休(元旦を除く)/食べログ

8月下旬。「みつばち」へ。場所は河原町今出川の交差点を少し南下した東側。こちらも京町家の改修物件。オープン年などは不明。この日いただいた「柳桜園」茶葉使用の「宇治氷」(底の方に餡が入っている)もスタンダードで申し分の無いものだったが、こちらの夏の名物と言えばやはり「あんず氷」。一昨年の写真を載せておく。

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杏のシロップが山盛りの氷にこれでもかとまとわりつき、オレンジ色の光沢を放つ。杏好きには堪らないパンチ力満点の一品だ。また、通常メニューの寒天と豆も特筆すべき美味さ。食べごたえ、風味ともに素晴らしい。「豆かん」もしくは「あんず豆かん」は外せない。

みつばち/075-213-2144/京都市上京区梶井町448-60
11:00-18:00/日月休/食べログ

後日「嵯峨野湯」へ。場所は嵐電嵯峨とJR嵯峨嵐山を結ぶ通りの嵐電寄り東側。1923年築の銭湯を2006年に改築(ファサードの写真)。1F手前と2Fに物販、1F奥にカフェがあり、内外装のところどころに銭湯そのままの造作が残されている(カフェ店内の写真1カフェ店内の写真2)。「パイナップル氷」を注文。

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細かなパウダー状の氷に爽やかな風味のシロップ。食べ進むと中からパイナップルの果肉が現れる。さりげなく、それでいて満足度の高い一品。

嵯峨野湯/075-882-8985/京都市右京区嵯峨天龍寺今堀町4-3
11:00-LO19:30/不定休/食べログ

9月上旬。「いせはん」へ。場所は河原町今出川の交差点を北上した東側。オープン年などは不明。「宇治金時白玉氷」を注文。

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シロップ、小豆ともに甘さはごく控えめで、素材そのものの風味が前面に。とりわけ抹茶の濃厚さは他店の追随を許さない。スイーツと呼ぶにはギリギリのハードコア宇治氷。好みはくっきり分かれるだろうが、このガツンと来る爽やかな苦味は体験の価値有りだ。こちらは同時に注文した「いせはん特製あんみつ」。一転して盛り沢山ながらやはり流石の完成度。

いせはん/075-231-5422/京都市上京区青龍町242
11:00-LO18:00/火休(祝日営業)/食べログ

後日「加茂みたらし茶屋」へ。場所は下鴨神社の裏口に近い下鴨本通西側。その他の情報については以前の記事をご参照のこと。この日は「ゆず氷」と「いちご氷(練乳かけ)」を注文。

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写真はシロップに柚ジャムを使用の「ゆず氷」。甘さは控えめで、皮ごと細かく刻まれた柚の香りが鮮烈。表面に大きく削られた氷とフルーツをトッピングした美しい外観も印象的だ。「いちご氷」のシロップはいかにもスタンダード。それはそれで安心の美味しさ。

加茂みたらし茶屋/075-791-1652/京都市左京区下鴨松ノ木町53
9:30-LO19:30/水休(祝日営業)/食べログ

さらに後日「弥次喜多」へ。河原町四条の交差点を南下して3つめの角を東へ。突き当たり北西角の一軒家に暖簾が掛かる。オープン年などは不明。「宇治金時」と「ミルク宇治金時」を注文。

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器の許容量をオーバーした大振りの雪玉を思わせる氷の表面は深く濃い緑色。中央にスプーンがぐさりと刺さった状態で供される。苔むした地形模型みたいだがかき氷なので念のため。甘味は「いせはん」ほどではないもののごく控えめで、苦味と風味は見た目通りの強烈さ。抹茶の粉の舌触りが少々残る。食べ進んだところで現れる餡にほっと一息。これまた実にハードコアな宇治氷だ。

弥次喜多/075-351-0708/京都市下京区北市之町240-2
11:30-LO18:30/火休(祝日の場合は翌日休)/食べログ

9月中旬。「祇園 日」へ。花見小路四条の交差点を建仁寺の手前辺りまで南下。東側の路地奥南側にある茶屋を改装して2010年にオープン。内外装デザインは辻村久信デザイン事務所店内の写真その1店内の写真その2)。日光(栃木県)の四代目徳次郎による天然氷を使用したかき氷を通年で提供する店だが、今夏はあまりの盛況のため一時純氷(普通の製氷店の氷)で値引き提供されていた。いただいたのは純氷の「淡雪awayuki/かき氷+季節の果実(葡萄)」と「淡雪awayuki/かき氷+ミルク金時 珈琲添え」。

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天然氷でなくとも丁寧な仕事にはなんら変わるところが無い。特にこの日はじめていただいたミルク金時(上の写真左)は鮮烈だった。ミルクシロップ掛けの氷の下にはミルクのババロアと小豆。深煎りの珈琲を掛けると一層豊かな味わいとなる。実に独創的だ。季節の果実のかき氷(上の写真右)は甘さ控えめで香り豊かなピュレが掛かった氷を食べ進んだところでゼリーが現れる趣向。

祇園 日/075-525-7128/京都市東山区祇園町南側570-8
11:00-LO17:30(バー19:00-2:00)/不定休/食べログ

9月下旬。「古の花」へ。場所は北野天満宮前交差点北東角。オープン年などは不明。「もも氷」と「マンゴー氷」を注文。

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氷はごく細かなパウダー状。マンゴーも良かったが、特に「もも氷」(上の写真)は印象深い。桃のピューレの甘く爽やかな香りがふわふわした食感の氷を包み、えも言われぬ味覚となってひろがる。こんなかき氷があったのか。

古の花/075-461-6687/京都市上京区馬喰町898
9:00-17:00/火休/食べログ

10月初頭。「さるや」へ。場所は下鴨神社の敷地内、楼門の手前。「宝泉堂」が手掛ける休憩所として2011年にオープン(ファサードの写真店内の写真)。「いちごミルク氷」と「黒蜜ミルク氷」を注文。かき氷はすでにメニューから無くなっていたが、たまたま氷の在庫があったとのことで滑り込みセーフ。

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写真は「いちごミルク氷」。素焼きの素朴な器に盛られた氷に自家製の苺ジャムをかけていただく。氷はやや細かめではあるものの、ジャムの質感を十分に下支えするだけのテクスチャーを持つ。黒蜜も実に風味豊か。一体感よりも対比と相乗効果の際立つ力強いかき氷だった。

さるや/075-781-0010(下鴨神社)/京都市左京区下鴨泉川町59 下鴨神社境内
10:00-16:30/無休/食べログ

以上、今年いただいた中でも特に強く記憶に残ったかき氷を記録しておく。店ごとにこれほどの歴然とした差異があるとは、この歳になって初めて知った。どちらも実に個性的で、例え個人的であれ甲乙はつけ難い。

さて、来年はどんなかき氷に出合えるだろうか。

2012年10月16日 03:00 | trackbacks (0) | comments (0)
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