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都市とデザインと : 東京・STAND T

7/4。『STAND T』で夕食。東京駅前、新丸ビルの1Fにあるビアスタンド。山本宇一氏がプロデュースする渋谷『STAND S』(2008年10月オープン)の姉妹店として2010年4月にオープン。インテリアデザインはKata(形見一郎氏)が手掛けている。以下、写真はクリックで拡大。

外堀通りと行幸通りの角に面し、ビル商業ゾーンのメインエントランスに連なったガラス張りの店舗区画は、以前『PG cafe Paris』のあった場所。高過ぎる天井高といびつな平面形を、形見氏は最少限の手数でひとまとまりの空間に仕立て上げている。

フロアに点在する家具類とカウンター、間仕切りは概ね杉材に覆われ、素地の質感を生かした仕上げが施されている。天井のそこかしこからは縦長、横長の照明ボックスが吊るされ、それらに混じって白く大きな『T』のロゴサインがふたつ。照明ボックスの中にはそれぞれ黄色の蛍光灯が2本と白色の蛍光灯が1本。混色の微妙な光に包まれた店内には、賑やかな、でも不思議に冷めた雰囲気が漂う。その光景はどこか見知らぬ街角の止まり木を思わせる。

いただいたのはビールやソフトドリンクの他にグリーントマトのピクルス、にしん入りポテトサラダ、インカのチーズグラタン、牛すじと大根の煮込みなどなど。デザートにプリンアラモードも。ドリンクやフードはカウンターで注文し、そのタイミングによって自分でテーブルへ運んだり後で持って来てもらえたりする。このシステムがまだ試運転中なのか、今後もこのままなのか、そこのところは判然としない。なんともゆるいが、それもまた良し。

店を中心を占めるような造作や、象徴的な仕掛けはどこにも無い。テーブルに居ても、舗道から見ても、この店のテリトリーは至って曖昧に感じられる。その仮設性と、都会への浸透性ゆえの迫力は『STAND S』や『STAND G』(2010年7月オープン)よりも一層強い。行儀の良い丸の内の街並の真ん中にこんな店が加わったことのインパクトは、あの『丸の内ハウス』の登場に勝るとも劣らないんじゃないか。実に痛快だ。

STAND T/東京都千代田区丸の内1-5-1 新丸の内ビル1F/03-3240-6008
11:00-22:30LO/無休

2010年10月12日 20:00 | trackbacks (0) | comments (0)
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