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落語初心者のメモ : 落語初心者のメモ 2009年5月

5/1。神楽坂フラスコで『スイッチ寄席』。春風亭百栄師匠の会。『新生徒の作文』、『お血脈』、『天使と悪魔』。
着物展示会のイベントとして、ギャラリーショップ奥の座敷に高座を設えて行われた落語会。アウェイな状況を意識され過ぎたのか、ことごとく噛み噛みに。最後の根多でようやく復調。内幸町以来久しぶりの『天使と悪魔』が嬉しい。真打昇進からしばらく経って、まるで落語好きの青年に戻ったような百栄師匠がなんだか可笑しかった。

5/3。よみうりホールで『立川談志独演会』。立川談修さんで『看板のピン - なすとかぼちゃ(踊り)』、談志師匠で『短命』、仲入り、談志師匠で『金玉医者 - 女給の文(焼き肉屋版)』。
声の調子がずいぶんと良好なご様子で一安心。それにしても、こんなにさらりとした談志落語を立て続けに聞いたのは初めて。『短命』では浪曲でガラガラ声のくだりさえカットしてシンプルに。極めつけに軽妙かつ馬鹿馬鹿しい『金玉医者』ですっかり幸せな気分に。最後は改作『女給の文』で思い切り毒をまき散らして終了。下ネタ三連発。なのになんだろうかこの爽やかさ、可愛らしさは。

5/5。鈴本演芸場で『五月上席 権太楼噺爆笑十夜』の第五夜。林家正楽師匠で紙切り、柳亭燕路師匠で『初天神』、柳家甚語楼師匠で『黄金の大黒』、古今亭菊之丞師匠で『棒鱈』、昭和のいる・こいるで漫才、三遊亭歌武蔵師匠で『だるま』、柳家小三治師匠で『二人旅(ににんたび)』、仲入り、鏡味仙三郎社中で太神楽、春風亭正朝師匠で『家見舞』、柳家紫文師匠で粋曲、柳家権太楼師匠で『幽霊の辻(ゆうれんのつじ)』。
菊之丞師匠の『棒鱈』が絶品。こんなにカラフルな根多だっけ?と目を疑うほどキラキラしたイリュージョンな高座だった。寄席でお目にかかるのは初めての小三治師匠。なんとも長閑なリズムが心地良い。紫文師匠を拝見するのは初めて。松鶴家千とせ師匠を彷彿させる超絶なナンセンスさにシビれる。『幽霊の辻』は小佐田定雄先生の新作で二代目枝雀の得意根多。権太楼師匠のバージョンはいくつか新しいエピソードを追加してからりと除湿。サゲもかるーく笑わせるかたちとなっていた。今後さらに変化してゆきそうで楽しみ。

5/14。浅草橋区民館で『鳥越落語会』。柳家喜多八師匠の会。春風亭昇吉さんで『もみじ水産』、喜多八師匠で『旅行日記 - 愛宕山』、春風亭百栄師匠で『マザコン調べ』、仲入り、喜多八師匠で『遊山船(ゆさんぶね)』。
昇太師匠のお弟子さんは月に一本新作をつくらなくてはならないとのこと。そりゃ大変だ。『旅行日記』はどなたの作だろうか。喜多八師匠にぴったりのブラックで風刺の効いた根多。『愛宕山』は前半をバッサリ省いて茶店に着いてからのエピソードをたっぷりと。百栄師匠は客層を測りかねたのか、まくらで手を替え品を替え。満を持しての『マザコン調べ』はキレ味抜群。『遊山船』は上方の噺。一昨年のざこば師匠に続いてまさか喜多八師匠で拝見できるとは。『愛宕山』といい、師匠ならではの発作的な台詞運びが間抜けなキャラクターに見事にハマる。

5/25。なかのZERO小ホールで『瀧川鯉昇独演会』。鯉昇師匠で『船徳』、立川志の輔師匠で『バールのようなもの』、仲入り、両師匠の対談、鯉昇師匠で『武助馬(ぶすけうま)』。
鯉昇師匠のふわふわした雰囲気が徳さんにぴったりの『船徳』。川に出てからの描写が細かくて笑いの切れ目が無い。死ぬー。やっと拝見できた『バールのようなもの』は、『やかん』をベースとするシンプルな展開の中に、風刺、不条理、追いつめられる男、と言った志の輔落語に欠かせない要素がさらりと盛り込まれた自作の新作。カッコいい。方向性は違えど、つかみどころの無い者同士の対談は、オムライスのエピソードでひたすら爆笑。ドタバタの中にのんびりした雰囲気漂う『武助馬』でこれまた死にそうになる。

5/27。みたか井心亭で『寄席井心亭 数えて百六十八夜 皐月』。立川志らく師匠の会。立川らく兵さんで『十徳』、立川志らべさんで『粗忽長屋』、志らく師匠で『目薬 - 義眼』、仲入り、志らく師匠で『たちきり』。 
『目薬』の後日談としての『義眼』。ややグロテスク、かつ素晴らしくナンセンス。これぞ志らく落語、の高座にいきなりガツンとやられたが、続く『たちきり』のショックはさらに大きなものだった。元来ドラマがあるような無いような、救いのあるような無いような噺の後半を大胆にアレンジ。小糸のか細い独白が胸に迫り、鳥肌が。なんという凄み。そして優しさ。

5/30。三鷹市芸術文化センター星のホールで『柳家喬太郎みたか勉強会』。柳家小ぞうさんで『粗忽の釘』、柳家喬の字さんで『棒鱈』、喬太郎師匠で『へっつい幽霊』、仲入り、喬太郎師匠で『青菜』。
皆さんそれぞれに勉強モード。こんなのんびりした会もなかなか良い感じ。かなり緊張気味ではじまった喬の字さんの『棒鱈』は終わってみればほぼ完成された印象。喬太郎師匠は最初に小ぞうさんを呼んで小太郎襲名の紹介。無言で土下座したりすねた仕草をしてみたりの小ぞうさんが可笑しかった。『へっつい幽霊』は銀ちゃんの不思議キャラぶりがナイス。『青菜』は極悪な女房に爆笑。

2009年06月15日 21:00 | trackbacks (0) | comments (0)
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