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life of "love the life"

落語初心者のメモ : 落語初心者のメモ 2009年2月

2/18。みたか井心亭で『寄席井心亭 数えて百六十五夜 如月』。柳家花緑師匠の会。柳家花いちさんで『狸札』、花緑師匠で『権助提灯』、立川談春師匠で『六尺棒』、仲入り、花緑師匠で『竹の水仙』。
続けて聞いても楽しい花緑師匠の『権助提灯』。談春師匠の『六尺棒』は親子の言い争いの切れ味が洒落にならない凄さ。なのに味わいは軽やかで、どことなく楽しそうにさえ見える。カッコいい。花緑師匠の『竹の水仙』は宿屋の夫婦のキャラ立ちが抜群。この根多でこんなに爆笑したのは初めてだ。

2/25。千代田区立内幸町ホールで『権太楼ざんまい』。柳亭市也さんで『転失気』、柳家小権太さんで『のめる』+寄席の踊り(奴さん、姉さん)、柳家権太楼師匠で『宿屋の仇討ち』、仲入り、権太楼師匠で『一人酒盛』。
お杯にはじまって全根多酒繋がり。流れよくまとまった素晴らしい会だった。バカボン顔の小権太さん。声の通りがいい。ロボコップな「踊り」はある種才能を感じさせる。権太楼師匠の『宿屋の仇討ち』は似たシチュエーションの繰り返しが実に軽快で爆笑を誘う。ラストのどんでん返しもからりと爽快。一転して『一人酒盛』はほとんど一人の人物だけを演じつつ、丁寧にディテールを積み重ねてゆく。酔っぱらいの理不尽な振る舞いが生々しい。やっぱり権太楼師匠の酒飲みキャラには独特の凄みがある。

2/27。日本橋社会教育会館ホールで『市馬落語集』。柳亭市也さんで『子ほめ』、柳亭市馬師匠で『山崎屋』、仲入り、市馬師匠で『あくび指南』。
「百そこそこ」のいい間違いで一気に会場を暖めたりしつつも、通してそつのない高座の市也さん。今回の市馬師匠の根多下しは『山崎屋』。内容的にものすごく設定が細かく、かつボリュームが大きい。それでも師匠の手に掛かるとなんとも粋で軽やかに。この先、多少枝葉を整えれば、ますます師匠ならではの見応えある根多になりそうな期待大。『あくび指南』は驚きの小気味良さ。のんびりした展開でしか見たことがないだけに、こんな演り方があったか、と目から鱗。

2/28。三鷹市芸術文化センター星のホールで『立川談春独演会 冬談春』。立川春太さんで『間抜け泥』、談春師匠で『除夜の雪』、仲入り、談春師匠で『宿屋の仇討』。
『除夜の雪』は桂米朝師匠の根多(永滝五郎作)。町中の寺の大晦日。3人の修行僧の滑稽なやりとりが丁寧に描かれる。やがて静かな雪の夜の空気感がかたち作られ、その静けさのまま幕切れ。救いの無い噺なのに、不思議と暗さも無いのが粋であり、米朝的だ。この乾き切ったニヒリズムを表現できるのは、東京だと談春師匠くらいか。米朝版のサゲ(バッサリ)と談春版のサゲ(やや文学的)の微妙な違いが興味深い。『宿屋の仇討』は一転してお祭り騒ぎ。はじけた三人衆の愛すべき下品さに涙が出るほど爆笑。こーしてこーしてこーなるのっ。

2009年03月05日 21:00 | trackbacks (0) | comments (0)
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