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落語初心者のメモ : 落語初心者のメモ 2008年9月

9/7。三鷹市芸術文化センター星のホールで『林家たい平独演会』。桂三木男さんの『猫の皿』に続いてたい平師匠で『金明竹』。仲入を挟んで柳貴家小雪師匠の太神楽。最後はたい平師匠で『幾代餅』。
関西弁を交えた流麗なやりとりに惚れ惚れの『金明竹』。終盤、女将さんの登場タイミングが微妙におかしなことになったのが余計に笑えた。『幾代餅』では師匠ならではのふうわりとやさしい空気感が会場を包むが、権太楼師匠の超絶『幾代餅』を見たばかりだったため、やや印象は弱め。おそらくこの根多を演るには、たい平師匠は男前過ぎるのだ。

9/12。港区赤坂区民ホールで『夕刊フジ第12回平成特選寄席』。立川志らべさんの『湯屋番』に続いて春風亭栄助さんで『新・生徒の作文』。立川談笑師匠の『堀の内』で仲入。古今亭菊之丞師匠で『紙入れ』に続いて、最後は立川志らく師匠で『源平盛衰記』。
いつもクールな毒舌が冴える志らべさん。栄助さんはお馴染みの根多を一段とゆるゆるに。談笑師匠を拝見するのは初めて。危険なくすぐり。恐ろしく粗忽な亭主とそれを見守る家族の日常。乾いた悲哀を基調に、異様にキャラの立った人物たちが無理矢理なストーリーを展開してゆく。ほとんど萌え落語とでも言いたくなる新鮮な高座だった。もう少し着物とかに気を使っていただけると集中して聞けるんだけどなあ。菊之丞師匠は『紙入れ』でさらりとお後にバトンタッチ。これがもう完璧なハマり根多。女将さんと亭主と間男の演じ分けがあまりに鮮やかで爆笑しつつ惚れ惚れ。志らく師匠は映画のパロディが満載の熱演。カラフルで軽快。志らく師匠以外では決して見ることのできないなんとも楽しい『源平盛衰記』。

9/23。鈴本演芸場九月下席夜の部。この日は平成二十年落語協会新真打披露興行でトリは春風亭栄助改め百栄師匠。歩道に並んでいると、三つボタンスーツにスヌーピー柄タイの百栄師匠がハイチュウ(グリーンアップル味)を一個ずつ配って下さった。演目は春風亭正太郎さんで『狸札』。柳家三之助さんで『堀の内』。アサダ二世先生の奇術。三遊亭歌武蔵師匠で『だるま』。柳亭市馬師匠で『目黒のさんま』。ペペ桜井先生のギター漫談。柳家権太楼師匠の『壺算』。春風亭栄枝師匠(百栄師匠の師匠)で『蜀山人』、鈴々舎馬風会長の漫談。仲入を挟んで真打昇進襲名口上。昭和のいる・こいるの漫才。春風亭一朝師匠で『初天神』。鏡味仙三郎社中の太神楽。春風亭百栄師匠『鮑のし』。
安定感とチャーミングさ抜群の三之助さん。歌武蔵師匠の新作は落選政治家の救い難さをリアリティたっぷりに。市馬師匠はお馴染みの根多を明るく軽快に。権太楼師匠の『壺算』は瀬戸物屋のパニック振りがあんまり見事過ぎて死にそうになった。栄枝師匠の根多は小咄と狂歌をとつとつと。窓際のおじさんが間違えて高座に上がってしまい緊急事態、みたいな可笑しさに衝撃を受ける。馬風会長はお馴染みの毒舌漫談。
口上は一朝師匠が進行役。権太楼師匠の「噺家にとってお客様の拍手がどれほど助けになるか」との言葉に思わずジン。無言でにらみを効かせる馬風会長の過剰な存在感と、栄枝師匠のマイペースぶりが爆笑を誘う。中央にひれ伏しつつ汗だくの百栄師匠。相当緊張なさっているのかと思ったら最後は「イタイタしいほど頑張るぞっ」。なんとも微笑ましく幸せな気分で三本締め。
時間が押したようで、のいる・こいる両先生、一朝師匠、仙三郎師匠はそれぞれ早送りバージョン。百栄師匠の『鮑のし』は幼児的粗忽の亭主と強面の女房という最強の布陣。爆発する客席。しかも立て板に水の流麗さ。まさに「栄助」の完成形を見る思いだったが、百栄師匠はここからさらに上を目指されるのだ。そう考えると本当に嬉しく、ワクワクする。終演後の割れんばかりの拍手にまたジンと来てしまうにわかファン。

9/24。みたか井心亭で『数えて百六十夜 寄席井心亭 長月』。立川志らく師匠の会。立川らく八さんで『家見舞』。立川志ら乃さんで『堪忍袋』。志らく師匠で『お化け長屋』。仲入りを挟んで志らく師匠で『お若伊之助』。
性格は真逆っぽいけど落語は明るく楽しい志ら乃さん。「納屋変態野郎〜!!」。『お化け長屋』は明らかにホラー映画見過ぎの杢兵衛さんと、師匠お得意「あうあうあうっっっ!!」の江戸っ子によるドタバタ劇で爆笑。『お若伊之助』の終盤は師匠の改作だろうか。美しくファンタジックな幕切れだった。

9/27。三鷹市芸術文化センター星のホールで『柳家権太楼独演会』。柳家ほたるさんで『一目上がり』。柳家右太楼さんで『野ざらし』。権太楼師匠で『井戸の茶碗』。仲入を挟んで伊藤夢葉先生のマジック。権太楼師匠で『らくだ』。
初めて見た右太楼さんは明朗快活で力強い落語をなさる方。今後要チェック。権太楼師匠は最初に屑屋二題を根多出し。俄然高まる期待に違わず、凄い高座を見せて下さった。ややお調子者にアレンジされた賑やかな屑屋が喜劇性を高める『井戸の茶碗』。ずっしりとドスの効いた『らくだ』は火屋までたっぷり。

2008年10月20日 21:00 | trackbacks (0) | comments (0)
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