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life of "love the life"

落語初心者のメモ : 落語初心者のメモ 2008年8月

8/2。三鷹市芸術文化センター星のホールで『夏談春』昼の部。立川こはるさんの『浮世根問』に続いて、立川談春師匠で『鰻の幇間』。仲入を挟み談春師匠で『厩火事』。
ちくちくとねちっこいのになぜか嫌な気がしないのが師匠ならではの『鰻の幇間』。同じ根多でも市馬師匠とは丸きり印象が異なる。『厩火事』を談春師匠で聞くのは二度目。間抜けで、口が悪く、強烈にたくましい江戸っ子の夫婦喧嘩。最高に笑えてスカっとする。

8/2。新宿末廣亭で深夜寄席。柳家さん若さんで『棒鱈』。桂三木男さんで『猫の皿』。三遊亭金兵衛さんで『船徳』。春風亭栄助さんで『お血脈』。
それぞれに個性の際立った内容で大いに楽しませていただく。でもやはり栄助さんは別格。シュールかつ切れ味鋭いくすぐりの連続。馬鹿馬鹿しいことこの上ない石川五右衛門。

8/5。湯島天神で『市馬・三三ふたり会』。柳亭市朗さんの『湯屋番』に続いて柳家三三師匠で『南瓜屋』、柳亭市馬師匠の『佃祭』。仲入を挟んで市馬師匠で『山号寺号』。最後は三三師匠で『笠碁』。
人情味に溢れ、粋で滑稽な『佃祭』は実に完璧なる江戸落語。市馬師匠で拝見できて良かった。100%駄洒落の『山号寺号』も師匠に掛かれば大いに盛り上がる。喬太郎山肥満寺。三三師匠の2席はどちらもとぼけた味わいが絶品。たっぷりの『笠碁』で幸せな気分に。

8/6。みたか井心亭で『寄席井心亭 数えて百五十九夜 葉月』。柳家小んぶさんの『道灌』に続いて柳家さん若さんで『棒鱈』、柳家喬太郎師匠の『牡丹灯籠 刀屋』。仲入を挟んで古今亭志ん八さんで『黄金の大黒』。最後は喬太郎師匠で『鬼背参り』。
喬太郎師匠による感情の昂りの表現はつくづく鮮やかでカッコいい。シビれる『刀屋』。ホラーでスペクタクルな『鬼背参り』は夢枕獏氏の新作。あまりに切ない幕切れに涙。

8/13。鈴本演芸場で『納涼名選会 鈴本夏まつり 吉例夏夜噺 さん喬・権太楼特選集』三日目。柳亭市馬師匠で『たらちね』。鏡味仙三郎社中の太神楽。柳家我太楼師匠で『強情灸』。ロケット団の漫才。柳亭左龍師匠で『お菊の皿』。春風亭一朝師匠で『唖の釣り』。ダーク広和先生の奇術。柳家喬太郎師匠で『夫婦に乾杯』。仲入。昭和のいる・こいるの漫才。柳家権太楼師匠で『蛙茶番』。林家正楽師匠の紙切り。柳家さん喬師匠で『らくだ』。
市馬師匠の前座噺は何席でも見たくなる素晴らしさ。左龍師匠のハイテンションに抱腹絶倒。私的ベストオブ『お菊の皿』。初めて拝見した一朝師匠はカラフルで濃密。のいる・こいる両先生も初めて拝見。モザイクを思わせる繊細で完成された掛け合いに感動。権太楼師匠の半公は最高にチャーミング。さん喬師匠の『らくだ』は火屋のサゲまで一気に。まさに比類の無い流麗さ。

8/16。鈴本演芸場で『納涼名選会 鈴本夏まつり 吉例夏夜噺 さん喬・権太楼特選集』六日目。柳家甚語楼師匠で『つる』。鏡味仙三郎社中の大神楽。柳亭市馬師匠で『芋俵』。ロケット団の漫才。柳家喬之助師匠で『寄合酒』。春風亭一朝師匠で『芝居の喧嘩』。ダーク広和先生の奇術。柳家喬太郎師匠で『落語大学』。仲入。あしたひろし・順子の漫才。柳家さん喬師匠で『船徳』。林家正楽師匠の紙切り。柳家権太楼師匠で『幾代餅』。
甚語楼師匠の密度の高い『つる』。三日目以上にカラフルさ全開の一朝師匠。前に登場した師匠先生方の演目をアドリブで見事に組み込んでしまう喬太郎師匠には思わず唖然。ひろし・順子両先生を拝見するのは初めて。一見和やか。しかしシュールなことこの上ないビジュアルが強烈な印象を残す。さん喬師匠の『船徳』はため息ものの素晴らしさ。緻密なディテール。ええカッコしいな徳さんのダメさが愛らしい。最後は権太楼師匠で感涙。師匠の演ずる女性はどうしてこんなに魅力的なのか。談志師匠の『紺屋高尾』がオーバーラップするようにして思い出された。

8/16。鈴本演芸場で『納涼名選会 鈴本夏まつり 吉例夏夜噺 さん喬・権太楼特選集』九日目。柳家我太楼師匠で『強情灸』。鏡味仙三郎社中の太神楽。古今亭菊丸師匠で『たがや』。ホームランの漫才。柳亭左龍師匠で『初天神』。春風亭一朝師匠で『祇園祭』。ダーク広和先生の奇術。柳家喬太郎師匠で『孫、帰る』。仲入。昭和のいる・こいるの漫才。柳家権太楼師匠で『寝床』。林家正楽師匠の紙切り。柳家さん喬師匠の『明鳥』。
金坊の表情が絶品の左龍師匠。私的ベスト2オブ『初天神』(ベスト1はやっぱりさん喬師匠)。一朝師匠は嫌みな京都人と短気な江戸っ子の対比に思わずにんまり。喬太郎師匠の新作は祖父と孫の微笑ましい会話から急転直下の涙へ。権太楼師匠の『寝床』とさん喬師匠の『明鳥』は事前の想像を遥かに超える可笑しさ。番頭の造形が際立つ『寝床』。吉原の光景が目の前に拡がるような『明鳥』。

8/30。谷中・全生庵で『第8回特撰落語会 全生庵で聴く 林家正雀夏の怪談』。春風亭一左さんの『金明竹』に続いて林家彦丸さんで『粗忽の釘』、林家正雀師匠で『真景累ヶ淵 深見新五郎』。仲入を挟み正雀師匠で『怪談累草紙 親不知の場』。師匠とオフィスぼんがさんとの対談があって、さらに『奴さん』と『姐さん』の踊り。
正雀師匠の緻密な情景描写に思わずのめり込む。園朝直系の名人芸を実感。最後は彦六の物真似を交えた見事な踊りで爆笑させていただいた。

8/31。お江戸日本橋亭で『第16回 無限落語』。三遊亭たん丈さんの『漁師親子』に続いて三遊亭亜郎さんで『桃園の誓い』、林家彦いち師匠で『さいとう』、三遊亭円丈師匠で『あんたのせい家族』。仲入を挟んで柳家小ゑん師匠で『トニノリ』、最後は柳家喬太郎師匠で『同棲したい』。すべて自作の新作。
ナンセンスでホラーで不条理な展開に彦いち師匠の風貌や芸風が最高にハマる。古典になりうる傑作。ハイテンションで押し切る円丈師匠もたまに拝見する分には魅力的。この日個人的に一番感動したのは小ゑん師匠。ほぼ全編を通じて電車の車中だけでの展開。淡々とした声色。時折垣間見せる表情が剃刀のように鬼気迫るリアリティを醸し出す。ライブじゃないと絶対に伝わらない凄み。喬太郎師匠の根多は団塊世代のハートを直撃の内容。それにしてもくすぐりが見事。

2008年09月24日 12:00 | trackbacks (0) | comments (0)
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