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都市とデザインと : 六本木・hLam

5/4。サントリー美術館でガレを見た帰りに『hLam』(ラム)の前を通り掛った。レナウンが取り扱うイタリアのアパレルブランドのブティック。2007年4月に東京ミッドタウンとともにオープン。その時点ではさほど気に止めなかった店だが、何度かミッドタウンへ足を運ぶうちに、その印象がだんだんと強くなってきた。内装デザインはWonderwall(片山正通氏)。

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可動什器を除く全ての造作はエントランスを中心軸とする左右対称に厳しく構成されている。羽目板張りの天井とウッドフローリングの床は同じピッチで仕上がっており、この空間の持つ緊張感を一層高める。設備類の配置は完璧以上。特に空調などはデザインの重要な一部と言って良い。ファサード両側のショーウィンドウと店内中央のショーケースを形作る大きな曲面ガラスは、冷たくぬめるような質感を主張する。

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一方、表面を白く塗り潰した細かな横格子のストック、斜めに立てかけられたミラー、エントランスのドアなどの佇まいはいかにも欧州ブランドのブティック然としている。徹底して人工的な入れ物としての空間と、古風なディテールの対比を、色温度の高い間接照明が白々と浮かび上がらせる。

美しきアンビバレンスとでも言おうか、この感じは片山氏の多くの作品に共通するが、『hLam』のそれは特別計算高く、洗練されたものであるように思われてならない。

hLam

2008年06月30日 13:00 | trackbacks (0) | comments (0)
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