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暮らしの道具たち : トーマス・ボーレのちび陶

2/22。勝野が浅草のカフェ&ギャラリー『ギャラリー・エフ』に立ち寄ったところ、1月で終わっていたはずのオーストリアの陶芸家トーマス・ボーレ氏によるストーンウェア(炻器/半磁器)の展覧会『ちび陶』が会期延長されていた。拝見したところ、これが思いのほか素晴らしい内容。夕刻にヤギを連れて再びギャラリーへ。『なにわや』で小一時間ほど家族会議の後、三たびギャラリーを訪ねて作品をひとつ購入させていただいた。

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サイズは直径9cm、高さ6.5cmほど。下の写真は裏側を見たところ。表面に深く透明な質感を与える赤い釉薬が、半ば滴となって野蛮な顔をのぞかせる。

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傾けると下の写真のような具合。中央の素焼きの部分が外側よりも出っ張っており、立てると一本足のような状態となる。

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一見シンプルな形状のボーレ氏の作品は、実のところどれもがこうした入り組んだ中空の複雑な形状を持ち、手に持つと意外に軽い。会場では他に50前後の「ちび陶」と、大型の作品を数点見ることができた。ひとつひとつろくろで成形されるため、ひとつとして同じ作品は無い。「ちび陶」の制作にあたっては、500gの土を用いることだけがあらかじめ決まっている。こうした複雑な成形を型抜きで実現するのはかえって難しいと理屈では分かっても、その極めてシャープでなめらかなフォルムが、言わばローテクな手法から生み出されているとは、にわかに信じ難い。

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この展覧会では「ちび陶」用に上の写真のようなパッケージがあつらえられていた。外側がエンボスのかかったマットな黒で、内側がフラットな赤。中箱に円形の切り取り線がいくつか重なっており、多少の作品形状の変化には対応できるようになっている。蓋部分の裏には小さなパンフレットが添えられていた。簡潔にして丁寧なデザイン。ここにもまたボーレ氏の作品世界が象徴されているようだ。

Thomas Bohle
review:トーマス・ボーレ陶器展 ちび陶(ex-chamber museum)

2008年02月29日 23:00 | trackbacks (0) | comments (0)
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