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暮らしの道具たち : 徳島・森陶器

12/26。石井町の藍商住宅をちらっと拝見した後、吉野川を北岸へ渡って橅養街道を東へ。鳴門市大麻町大谷の『森陶器』で買い物をした。たしか4度目くらいの訪問。この近辺は大谷焼の里と呼ばれ、現在7つの窯が営まれている。

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1780年に豊後(大分県)の陶工・文右衛門が肥前(佐賀・長崎県)風の染付磁器の技術を当地に移植したのが大谷焼の起源。1784年に信楽(滋賀県)の陶工・忠蔵の指導を受け、地元産の鉄分の多い土を生かした陶器制作が始まったことが、現在の大谷焼のスタイルへと直接繋がっている。その後、藍の加工に必要であった大型容器の制作技術が発達。寝ロクロ(横になって足で回すロクロ)を用いて成形される瓶や睡蓮鉢は大谷焼を代表する製品となった。

上の写真は『森陶器』店舗南側にある登り窯(平地に築かれているの珍しいもの。現在は使われていない)から作業場を見下ろしたところ。大物がずらりと並ぶ様は壮観だ。左の方に見える瓶の高さは身の丈に迫る(大瓶を手前に登り窯を見上げた写真登り窯の頂上から傾斜を見た写真)。

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上の写真は北側の駐車場から見た店構え。この向こうにあのような風景があるとはとても思えない素っ気なさ。

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大谷焼の他の窯の例に漏れず、『森陶器』では大小含め種々多様な製品を見ることができる。とりわけ私たちが好きなのは、上の写真のような日用器(一輪挿しと平皿と小鉢。平皿が直径165mmほど)。赤みがかった焦茶のマットな表面に、いぶし銀の深い光沢がさざ波のようにひろがる。この独特の質感が大谷焼の華だ。

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シンプルなかたちに漲る気品と愛らしさ。デザイナーの琴線に触れてやまない洗練されたセンスは、大谷焼でもこの窯の製品に突出して感じられる(平皿と小鉢を別アングルで見た写真)。

今度はもうふたまわりくらい大きな花瓶を購入したい。貯金しなきゃ。

森陶器/徳島県鳴門市大麻町大谷字井利ノ肩24/088-689-0022
8:30-17:00(日9:30-)/無休(工房は日休)

伝統的工芸品に指定された大谷焼産地の活性化に関する調査研究報告書
窯元巡りの旅/大谷焼(たぬきおやじの旅の途中)

ところで、『森陶器』では飼猫さんまでいぶし銀だった。徹底してるなあ。

2008年01月12日 04:00 | trackbacks (0) | comments (0)
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