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身体と空間の芸術 : 鈴木真吾 / 須田悦弘 / アニアス・ワイルダー

7月に見た展覧会のうち現代美術系の3つについてのメモ。

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鈴木真吾個展「手のひらを太陽に」 2007/7/6-28 KANDADA
会場の『KANDADA』はコマンドNが運営するアートスペース。印刷会社・精興社の1Fを活用した白く天井の高い空間。6点あまりの立体作品とインスタレーションはどれもチェーンリング、パーラービーズ、マッチ棒、コインなど、無数の小さなパーツを丹念に組み上げることで大小のミニマルなボリュームを形成するもの。鈴木氏はこれらを個と社会の関わりのメタファーとして捉えている。どの作品にも純粋かつ単純であるが故の驚きがあり、美しい。中でも一円玉をミラーボールに仕立てた作品『きらきらぼし』は感動的だ。壁や床に投影された無数の円形の中に、縮小された一円玉の模様がうっすらと浮かび上がる様は、鈴木氏も全く予想していなかったものだと言う。『1000のバイオリン』は黒い折り鶴を25×40(=1000)のグリッド状に壁面へと配列し、参加者が折った千円札の折り鶴と交換してゆくプロジェクト。上の写真は勝野とヤギが交換してきた折り鶴。千円札と同じサイズの紙を折っているためこんなかたちに。鈴木氏のサイン入り。どうにかして額装したいと思っている。

須田悦弘展 2007/6/26-7/28 ギャラリー小柳
植物を象った木彫数点での新作展。ギャラリーは銀座の外れにあるビル8Fの割合に広いスペース。白い壁の所々に剥き出しのコンクリート柱が露出しており、須田氏ならではのハイパーリアルで繊細な造形による朝顔や菖蒲などの夏草が、その片隅から生えてきたような姿でさりげなく、点々と置かれていた。ひとつひとつの作品は見事だが、空間的な工夫を感じる展示ではなく、以前に見た資生堂ギャラリーでの展覧会に比べると全体の印象は弱い。価格表を見ると大きめの作品には400万円以上の値が付いており、全て売約済み。さすが。でも私たちにとっては入口エレベーター脇のカウンター下にひっそりと展示されていた雑草の木彫(非売品)が最も魅力的だった。

アニアス・ワイルダー展 7/7-31 INAXギャラリー2
イギリスのアーティスト、アニアス・ワイルダー氏によるインスタレーション展。6mの全長を持つ無数の木片を規則的に組み上げた八角柱の造形が、ギャラリーの両壁をつなぐかたちで宙に浮かぶ。信じ難いことにこの横倒しの積み木には釘や接着剤などは一切用いられておらず、両端からの圧力だけで支えられていた。軽量鉄骨にボード貼のような内装壁では強度が足りないため、両壁の一部はくり抜かれ、鉄筋コンクリートの躯体壁が露出した状態。力のかけ具合は造形と躯体壁の間に三角形の楔を打ち込むローテク極まりない手法で調整されていた。私たちが見に行った前日、東京では震度3の地震があったのだが、よく壊れなかったものだ。デザインや建築に携わる人間にはなんとも堪らない危うさ。それは数学的で、同時に呪術的でもある。

2007年08月09日 11:00 | trackbacks (0) | comments (0)
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