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都市とデザインと : 剣持勇のスタッキングスツール

先月末に小田原『井筒屋』の家具として秋田木工から発売されている剣持勇デザインのスタッキングスツールを使用する機会があった。オリジナルデザインは1955年のロングセラー家具。

迂闊にもそれまで全く知らなかったのだが、秋田木工は会社更生計画の廃止に伴い、破産手続後に大塚家具の子会社として再出発することが決まっていた。8月一杯は生産ラインが完全にストップするとのことだったので慌てて発注。ついでに個人的にも購入させていただくことに。

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本当は座面をビニールレザーにしたかったんだけど、とりあえずその時点で工場にあるファブリックしか選べなかったので、開き直って一番ジジイっぽいカラーリングにしてみたところこんな感じに。なかなか可愛いな。

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それにしても世界でも有数の技術を持つ曲木家具メーカーの経営が自力では立ち行かなくなってしまうとは残念だ。工場の職人さんの多くは高齢で、このままだとあと何年生産が続けられるか分からない状況とのこと。なんとか国内生産の灯を消さないよう、大塚家具が秋田木工をしっかりサポートしてくれるといいんだが。いろいろ心配でならない。

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スツールの使い勝手、座り心地は申し分無い。これほど安価で、しかも一切の無駄無く完成された家具プロダクトは貴重だと思う。このスツールを超えるような、あるいは新たな価値を付加することができるような家具をつくることは、私たちのデザイナーとしてのひとつの夢だ。

秋田木工自主再建断念(週刊アキタ)
更生計画の廃止決定/秋田木工、業績回復せず(秋田魁新報社)
秋田木工が「大塚家具」傘下に(ABS秋田放送)WMP映像

秋田木工
LDT/秋田木工ショッピングサイト

2006年08月20日 05:00 | trackbacks (0) | comments (4)
comments

秋田木工の件、全然知りませんでした。本当に残念です。
大塚家具が受け皿って言うのも大変心配ですね。
僕も、去年「磯の家」という居酒屋で使用しました。
安価で仕上げも良く、もちろん座り心地も良く、感動しました。
あの時、自分用に買っとけば良かったです。

posted by: JA : 2006年08月20日 18:00

>JAさん
幸い9月以降には会社の体制が新しく整って、また生産が始まるようです。秋田木工には他にも柳宗理氏デザインの曲げ木ダイニングチェアをはじめ、いい製品がいくつもあるんですよね。みんなで買って応援しましょう。
受け皿についてはホント不安大です。国産の剣持スツールが買えるのも今のうち、なんてことにならなければいいんですが。。。

posted by: 勝野+ヤギ : 2006年08月20日 22:59

うーむ、大塚家具ですか。この前そこからマットレスを買っといてなんですが不安です。ただ現実問題として今業績がいい家具メーカーは皆大手(大塚家具・オカムラ・コクヨ)なんですよね。
経済誌などの記事ではこの業界も好調な一部大手とそれ以外と言う二極分化が進んでいるそうで、良い製品を作っている小さなメーカーが無くなりそうで心配です。

posted by: doku : 2006年08月20日 23:35

>dokuさん
そうですかー。なんだかガックリ来ちゃいますね(>二極分化)。。。この際、勝ち組の大手販売店にはしっかりとメーカーを支えてもらいたいものです。市場に出回る家具がデッドコピーと粗悪なディスカウント品ばかりになりませんように。。。

posted by: 勝野+ヤギ : 2006年08月21日 06:52

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