life
life of "love the life"

旅に出てきました : 帰省ツアー 2009-2010・5日目

昨年12/28。神戸市垂水区『ふつうの家01』で起床。午後から山陽電鉄に揺られて新開地へ。先ずは商店街を北上し、アーケードの中ほど右手にある自家焙煎珈琲店『松岡珈琲』を訪ねた。開業は20年ほど前と聞く。

華奢な木製サッシの店構え左側にはガラス張りの焙煎室。右側のドアから店内へ入ると通路を挟んで左手にキッチンカウンター、右手の壁沿いに小さなテーブル席が並ぶ。カウンター側フロア中央奥寄りにある間仕切りを挟んでやや大きめのテーブル席が3つほど。その右側にはWCと上階への階段があるようだ。内装はオフホワイト基調に暗色の木造作。オリジナルと思しいチェアの大づくりな木彫りの装飾が特徴的。いかにもくたびれた箇所や資材などがやや雑然と見える部分もあるが、長年大事に使い込まれた様子が伺える。この日はふたりのおばちゃんがそれぞれキッチンとフロアを担当し、奥から時折年配の女性が現れては焙煎室へと向かっていた。

091228-matsuokacoffee02.jpg

ブレンドとコロンビアとタマゴトーストを注文。サイフォン抽出の珈琲、特にコロンビアの鮮やかさには思わずたまげた。極めて庶民的な雰囲気や客層にすっかり油断させられていただけに衝撃は倍増。分厚い卵焼のはさまったタマゴトーストは香ばしく贅沢な食感で美味い。虚飾ゼロの知られざる名店。お見それしました。

松岡珈琲/兵庫県神戸市兵庫区新開地1-1-8/078-577-6376
9:00-19:00/不定休

新開地を抜け、北側の湊川エリアへ。こちらの商店街はユニークな2層構造を持つ。2階部分を所々デッキで接続しながら延々ゆるやかに蛇行する姿は、冷静に良く良く見るとかなりの壮観だ。下の写真は商店街の中ほど(少し南側の写真)。

091228-minatogawa01.jpg

西側棟は商店街の反対で公営の駐車場に隣接し、高台(天井川だった旧湊川を明治期に埋めたもの)に貫入しながら面的にひろがる。その上に乗っかるのは湊川公園と公営住宅と兵庫区総合庁舎。さらに商店街を抜けると傾斜地にへばりついて編み目状に形作られた路地にそのままアーケードをかぶせたような別の商店街があり、メインストリート以上の賑わいを見せている。『はらドーナッツ』の本店があるのもこのエリアだ。なるほど、これが「神戸の台所」。カオティックで実に楽しい。

散策後、再び新開地商店街へ戻り『松岡珈琲』近くの交差点を西側の路地へ。道なりに進むと突き当たりの角地に『アキラ』がある。1965年開業の喫茶店。2005年頃から珈琲を自家焙煎なさっていると聞く。店内に入ると右手にテーブル席。左手にある多角形のカウンターキッチンにやや強面のマスター氏が控える。光天井を持つ白い箱に所々渋いグリーンの面と四角錐形のブラケットライトをあしらった内装は明るく清潔。おそらく80年代あたりに新装したものだろう。全体にスクエアな印象の強い中、奥に一面だけジャングルと動物が絵本調のタッチで描かれた壁があるのが面白い。

091228-akira02.jpg

ホットとミックスジュースとホットケーキを注文。艶やかな表面を持つホットケーキはあらかじめカットした状態で供される。時間の無い中で一服したい向きには親切なサービスに違いない。ミックスジュースは完璧なるスタンダード。珈琲も大量抽出ながら決して悪くない。さりげない気遣いを高いレベルで継続する姿勢に頭が下がる。

アキラ/兵庫県神戸市兵庫区水木通1-3-14/078-575-3102
8:00-21:00/第3,4木休

新開地を離れて元町まで徒歩移動。元町商店街を花隈駅辺りで南の路地へ入ると右手に『元町ケーキ』が現れる。1946年開業のパティスリー。店内に入ると正面にカウンターショーケースがずらりと並び、その奥に工房。路地に面したセルフ形式の簡易なカフェスペースが左手にある。内装はパティスリーとしては至ってシンプルで飾り気が無い。

091228-motomachicake.jpg

この日は店内で『ざくろ』をいただいた。ざくろとは言っても果物ではなくケーキの名前で、この店の看板商品。両手でめりっと割ったようなスポンジに苺をひとつ乗せたビジュアルはちょっと笑えるくらいに素朴かつワイルドだ。食感は夢のように軽く、ごくシンプルな素材の風味だけが濃厚にひろがる。美味い。

元町ケーキ/兵庫県神戸市中央区元町通5-5-1/078-341-6983
8:30-19:00/水休

再び商店街に戻ってしばらく元町方面へ進むと左側でお茶の試飲を勧める店が『放香堂』。間口の大きな店先に物販カウンターを並べ、左手では焙じ機が良い香りをたてる。

091228-hohkohdoh.jpg

こちらは江戸後期に京都に創業した茶商。神戸には1868年(明治初期)から店を構えている。同時期には珈琲の販売も手掛けており、店頭で振る舞っていたとのこと。珈琲が広く一般に提供された例として、これは日本で最も早いものとされる。現在は日本茶のみを扱うが、実は珈琲好きには聖地の一つと言って良い場所だったりする。記念写真撮影後、煎茶と焙じ茶を購入した。

放香堂/兵庫県神戸市中央区元町通3-10-6/078-331-3117
9:30-18:00/水休(祝日の場合は営業)

商店街を離れて花隈公園の交差点からJR高架下の商店街(モトコー)へ。しばらく元町側へ進むと左側に『グリーンズコーヒーロースター』がある。2005年オープンの自家焙煎珈琲店。ふた葉のマークの看板を右に見ながら黄味掛かった壁の中ほどにある赤茶のドアを開けて店内へ。入口階は全て物販と焙煎スペースで占められている。右手にカウンター、その奥に焙煎その他の作業スペースがあり、入口左手すぐの螺旋階段を上るとカフェ。おそらくパティスリーの居抜きと思われる店内は高架下の空間を生かしながらも綺麗に仕上げられている。内装はオフホワイト基調にざっくりした木造作。意外な天井高と相まって、プライベートとも開放的とも言える独特の居心地の良さを持つ空間がひろがる。

091228-gcr02.jpg

中深煎りのグリーンズブレンドと中煎りパナマを注文。サイフォンで供する珈琲にはどちらも骨太なインパクトがある。それでいて後味は実にすっきり。時間が無く2品しかいただけなかったのが残念だ。また伺わねば。

グリーンズコーヒーロースター/兵庫県神戸市中央区元町高架通3-167
078-332-3115/11:00-18:30LO/火休(土日祝は豆販売のみ)

2010年02月05日 05:00 | trackbacks (0) | comments (0)
comments

post a comment




*ご記入のメールアドレスはブログ管理者にのみ通知され非公開となります。



back|mail
copyright