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都市とデザインと : 埼玉/熊谷・Public Diner

昨年12/6。日曜の昼前にウヱハラ先生のメガーヌ号で埼玉県熊谷市に到着。『Public Diner』(パブリックダイナー)を視察した。2008年10月オープンのレストラン&カフェ。建築・インテリアデザインをKata(形見一郎さん)が手掛けている。駅からさいたま博通りを北進し、雀宮交差点を左折。ほどなく左手にもみの木のあるテラスと大きな片流れ屋根を乗せた米杉板張りの建物が現れる。

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上の写真は敷地北西角辺りから見た建物全景。こちらは敷地南西角辺りから見たところ。

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上の写真は通りに面した北側正面。敷地には柵の類いがほとんど無いに等しい。店とか建築とか言うよりも、まるで広場とその延長であるかのような潔い在り様が新鮮だ。こちらは西側の駐車場越しに見たところ。北棟と南棟を中央に張り出したテラスがつなぐ構成となっているのがわかる。テラスの下に見える白いサッシの部分がエントランス。入るとすぐに会計台を兼ねたキッチンカウンターがあり、その奥にキッチンがある。人通りの少ない場所であるにもかかわらず駐車場はほぼ満杯。店内は思わず目を見張る盛況振りだった。

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内部には100を越える席数を擁する。北棟と南棟にひとつずつの大テーブルを核とするレイアウト。禁煙席となった南棟の西側には半地階のエリアがあり、その上に被さった中二階席から二階テラスへと客席は立体的にひろがる。上の写真は二階テラスへの出口から見下ろした南棟客席全景。写真左上と右上に見える白いでっぱりの中にはエアコンが納まっている。こちらは中二階からの階段見上げ(左)と南棟東側のボックス席とピンクの壁(右)。こちらは中二階席のチェアのディテール。形見デザインならではの様々な要素が、大きなフロアにゆったりと配された様子はなんとも壮観だ。

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上の写真左は建物東側のWCへの通路途中にあるたばこ自販機、携帯電話充電コーナー、ピンナップボード。右はWCの手洗器部分。こちらはその反対側を見たところ。北側に面した窓とおむつ交換台とベンチ。

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上の写真は中二階席からキッチンを見下ろしたところ。たくさんの若いスタッフの方々が生き生きと仕事をなさっている眺めは楽しく、ここが郊外都市の外れであることをすっかり忘れさせる。

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が、テラス席からの眺めはやはり郊外そのもの。このギャップはかえって面白い。上の写真は二階テラス中央から北西方向を見たところ。ショートケーキ住宅群の左手にひろがる空き地のような場所には公園の表示が掲げられていた。スポーツ活動などに利用されている模様。なるほど。こちらは西側から見た二階テラス全景(左)と中二階テラス(右)。

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上の写真はこの日いただいた食事。どれもボリュームたっぷりでなかなかいける。デザートも期待以上にしっかりしたものだった。食器類はイケア。

この店ではそのどこに居てもテラスを介して外部との繋りが意識される。フロアを埋める幅広い客層は全くもってファミレス同様。日常生活を都市空間へ解放する装置としての機能と性能は『バワリーキッチン』や『ロータス』や『くろひつじ』などの形見作品から継承され、ここに来て数倍強化・洗練されている。感動的だ。

Public Diner(パブリックダイナー)/埼玉県熊谷市肥塚4-29
048-580-7316/11:00-1:00/無休

2010年01月06日 15:00 | trackbacks (0) | comments (0)
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