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life of "love the life"

落語初心者のメモ : 立川談志独演会・2004/5/28

5/28。例によって前日からずーっと仕事。少し仮眠して夕方に目を覚まし、有楽町・東京国際フォーラムへ。立川談志独演会『知らねえよそんな事ぁ』を見る。談志師匠を見るのも初めてなら落語を生で見るのも初めてのこと。「落語は100人や200人を前にやるもんだけど、不本意ながらこんなところでやっております」から始まって、延々と世間話(放送やCD化は完全に不可能な内容)やジョークが続いたあげくに始まった演目は『疝気の蟲』。ハチャメチャなアドリブが冴えまくり。仕草や表情が可笑しいのなんの。
15分休憩を挟んで、またしばらく世間話が続いたところで最近何演ったっけ?と、お弟子さんに根多帳を持ってこさせて、じゃ、これ演ろうか、と言う事で『紺屋高尾』。前のとは打って変わった演目でホロリ。普通この演目は瓶のぞきのくだりまで続くんだけど、この日の談志師匠は高尾が紺屋町にやって来た辺りで終わってしまう。で、作り話だと思うんだけどね、と、余韻を残しつつおしまい。これにはシビれた。粋だ。
幕が下りたと思ったら、これを忘れてた、と『落語ちゃんちゃかちゃん』(落語の名場面や名台詞を抜き出してリミックスした小演目)。キレ味抜群で実に楽しい。最後に「いい風を送って下さった皆さんに感謝致します」と、深々とひれ伏して終演。

なにしろ私たちは落語初心者(にすら達していない)なので、感想を書くのもおこがましい気はするんだけど、世間話と演目と下らないジョークとが渾然一体となった(演目の途中にさっきまでの世間話の続きがまた始まったりするのだ)談志師匠の高座を目にして、この芸はこの人の生き方そのものだな、と強く感じさせられた。人生を楽しみ、しがらみのなかでも自由な精神を失わずに居られる人じゃないと、同じ事をやったところで可笑しくもなんともないだろう。

私たちも“生き方そのもの”と言われるような作品を生み出したい。そう心底思った。

2004年05月31日 04:24 | trackbacks (0) | comments (0)
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