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"simpatica" job diary 01/15/2005 | part 1 |
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2003年08月11日 池田さんから最初のメールが届く。個人で飲食店を開業なさる予定で「是非お力になってくれれば」との内容。物件は現在まだ探している途中らしい。池田さんはレストランチェーンでいくつもの店舗の現場と運営に携わって来た方。メールには「最近の飲食店デザインはいろいろ雑誌などを見ても代わり映えがしないような気がする」、「ワクワクするようなお店が少なくなっているような気がする」、と書かれていたのが印象的だった。そして私たちの作品やホームページなどをご覧になった上で「何か違うぞ!」と思われたそうだ。 こうした理由で仕事の依頼をいただけるのはなんとも有り難い。love the lifeのデザインには万人の目を引くような派手さやインパクトはあまり無い、と自分たちでは思ってるんだけど、それでも何かしら感じて下さる人は居るものなんだなあ、と感激しつつ(この時点でもうほとんど仕事を受ける気になっている)、とりあえずお会いしてお話ししてみましょう、とメールを返信。ミーティングの場所は池田さんが出店の第一候補地と考えているたまプラーザのどこかで、と言うことにしていただいた。先ずは人と街とを知ることが肝心。 2003年08月31日 13:00たまプラーザに到着。東急SC内のカフェで初めてお会いした池田さんはお洒落なお兄さんだった。しかも若い。それに引き換え私たちは店が持てるような甲斐性など到底持ち合わせていないダメな中年だよなあ。。。 と、ちょっぴり意気消沈しそうになったものの、気を取り直して作品写真をお見せしながら私たちのもの作りへの取り組み方について簡単に説明させていただいた。すでにホームページを見ていただいているし、『kranz渋谷店』と『fit』については実際に足を運んで下さっていたので話しはスムーズだ。 池田さんからは融資や不動産物件取得用の事業計画書を見せていただいた。20坪ほどの広さでタパスやピンチョス(スペインの小皿料理)をメニューの中心に据えたバルスタイルの店。コンセプトやメニュー、運営形態や収支計画などなどかなり詳細な内容。簡単な平面レイアウト(場所がまだ決まっていないのであくまでもイメージ)までが添えられていた。ますます話は早い。 事業計画書に基づいて、私たちはデザイン料(空間デザインやグラフィックデザインなど)、内外装の総工費、印刷物などの製作費、などをざっくりと想定した上であらかじめお伝えしておいた。決して安い金額ではないし(安いだけが取り柄のデザイン事務所なら他にいくらでもある)、その金額で繁盛が保証されるわけでもない(いくらデザインが良くても流行らない店は流行らない)。それでも店を訪れるお客様のために、ご自身の夢とコンセプトを具現化するために、私たちの力が必要なら喜んでご協力させていただきます、というのが店舗プロジェクトに対する私たちのスタンス。 夕方近くまでいろいろとお話しした後、いい物件が出て来たら一緒に見に行きましょう、と言うことでお別れ。池田さんはとてもフレンドリーで裏の無さそうな人物だった。この時点ではもちろんまだデザイン契約を交わしたわけではないんだけど、おそらくご縁がありそうな予感。 その後、2、3時間ほどたまプラーザの駅周辺を歩き回ってみた。駅前の人の多さには驚くが、やはり東急SC以外には特に何もなさそう。商売の成り立つエリアは小さい。美容室とパティスリーだけはわりとたくさんあるみたいだが、使い勝手の良さそうなカフェなどの飲食店はほとんど見当たらない。結局この日の夕食は東急SCの中にあるインド料理店で採ることにした。 東急田園都市線が開通してこの地域に団地が立ち並びはじめたのは40年ほど前のこと。東急SCがオープンし、その周辺にへばりつくようにちょっとした商業地域ができはじめたのが20年ほど前。その後人口がどんどん増えて、今では東急SCの周辺はマンションの新築ラッシュ。小さな商業ビルは軒並みマンションに建て替わり、もとの店舗はマンションの地上階テナントとして移転・リニューアルするか、あるいは消えてなくなりつつある。ニュータウンは新しい変化を迫られている。 食後のチャイを飲みながら、私たちは「この街にリアルな生活の場を提供できれば」と話し合った。ここに生活してゆく上で必要なのはレストラン雑誌の表紙で見るような白々しい店ではなく、スタンダードになりえる店だ。 2003年12月02日 池田さんから久しぶりのメールをいただいた。その後ずーっと物件を探したり、秋田でハモン・セラーノ(スペイン風生ハムの一種)の作り方を勉強したりされていたとのこと。そしてついに希望していたものに近い条件の物件が現れたんだけど、ちょっと気になる点があるそうだ。 ・その1 フロアを他のテナントと2分割して使用するらしい。 ・その2 工事は不動産会社の指定業者で行わなくてはならないらしい。 1については間仕切りを誰が作るのかがはっきりしない。2についてはいかにもトラブルのもとになりそうな条件なので池田さんはいったん断りを入れたのだが、すると不動産会社は「じゃあ、基本的な部分は指定業者で」と言って来たそうだ。しかし“基本的な部分”とは一体どの辺なのかがはっきりしない。池田さんは以前のお店でもこうした不可解な不動産条件のおかげで面倒な思いをしたことがあるとのことで心配げ。近々予定している物件の内見に私たちも立ち会って意見を聞かせて欲しいとのこと。 たしかに胡散臭い。そもそも本当に飲食店を運営できる物件なのかどうか。できれば早めに専門家にガスや水道などの設備面をチェックしてもらいたい。そこで、イレギュラーな頼みではあるが、よろしければご一緒願えませんか?と、以前『fit』の施工をお願いしたことのある丹青TDCの営業・中村さんに連絡。幸い了解をいただいて、施工監理の方にも来ていただけることに。 2003年12月09日 14:00にたまプラーザ到着。池田さん、丹青TDCの皆さんと待ち合わせ。近くのコロラドで事前打ち合わせしてから15:00に候補物件へ。丹青TDCの施工監理の方や設備担当の方まで含めて総勢8人。物件のチェックだけにしては大げさだが、まあいいか。 大きな道路沿いのビル1Fにあるその候補物件では不動産会社の担当者とその施工指定業者の計3人がすでに打ち合わせ中だった。不動産会社のお姉さんから一通り物件の条件をお聞きして、ガスや水道設備のチェック。そうこうしているうちに遅れて不動産会社の社長が現れた。黒っぽいロングコートを羽織った茶髪のおじさんで、言っちゃ悪いが年季の入った石井竜也みたいな風貌の人。怪しい。絵に描いたような怪しさに思わず笑いが込み上げるものの、なんとか抑える私たち。 候補物件は道路に面した間口が狭く少々天井の低い店舗区画だった。また、このフロアにはどうやらガス設備が無いらしい。既存の出入口サッシはプランニング的におそらく使えそうにないし、この物件、怪しい上に余分なお金がかかりそうだ。 一通りのチェックを終えて工事の進め方についての希望事項を不動産会社に伝えたが、向こう側のけむに巻くような言い回しがどうにも不可解。正直、話にならないのでこちらの希望する工事区分の考え方を明文化してあげるからそれをよく読んで早急に検討して下さい、と言うことで終了。不動産会社にはビルの設備図と構造図、平面図を一式送ってもらえるよう依頼。 ![]() 2003年12月14日 工事区分の考え方を写真と図面付きで文書化して不動産会社にFAX。送付後、不動産会社に電話して図面を催促。「大家さんがつかまらなくて。。。」とのこと。ホントか? 2003年12月18日 池田さんからメール。不動産会社から物件条件についての返事が来たとのこと。 ・物件は“現状渡し”になる。 ・工事区分は考えないで欲しい。 笑えるくらいに意味不明だなこりゃ。一週間以上待ってもまだ図面は届かないし、不動産としての仕様がさっぱり分からない。やはりこの物件はダメか。 2003年12月24日 池田さんから電話。いまだに図面が届かないので不動産会社に連絡したところ、担当者が辞めてしまったとのこと。さらにビルオーナーが飲食店はダメだと言い出したらしく「この話は無かったことに」とのこと。なんじゃそりゃ。 だいたいこんな小さな店舗物件探しにいちいち怪しい業者がしゃしゃり出て来なくてもと思うのだが、実際のところこの段階で妙な業者や不動産オーナーに振り回されるのはよくあることだったりする。池田さんとは「気にせず次を探しましょう」と話し合った。来年はきっといいことありますよ! part 2に続きます。 |
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> part 2 |
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