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life of "love the life"

身体と空間の芸術, 都市とデザインと : 展覧会行脚のメモ 2009年9月

9/13に西新宿・OZONE、リビングデザインギャラリーで見た『山本達雄展 空間と家具の表情』についてはこちら

同日、初台・東京オペラシティアートギャラリーで『鴻池朋子展 インタートラベラー 神話と遊ぶ人』。ロック少女の美術部活的なイメージも、ここまでのスケールとクオリティに達すると爽快なことこの上ない。ほとんどテーマパークだ。寓話と偶像を散りばめた平面作品やインスタレーションは、繊細でありながら時に巨大で、妄想的でありながら時に生々しい。どっぷりと、その世界観を堪能させていただいた。

9/17。松屋銀座7Fデザインギャラリー1953で『内田繁の厨子 新しい祈りのかたち』。内田氏デザインの厨子と、6名の作家・デザイナーによる具足を見ることができた。厨子とは仏具や教典を納める箱形の家具、具足とはここでは仏教小道具のセットのこと。祈りの道具としての機能と象徴性を、極めてミニマルな形態の中に表現する手法は、まさに内田デザインの真骨頂。薄いステンレス扉の赤の発色は深く鮮やかで、心に染み入るように思われた。

9/26。21_21 DESIGN SIGHTで『TOKYO FIBER '09 SENSEWARE』。様々なクリエーターとメーカーのコラボレーションによって、ハイテク人工繊維が主素材のプロダクトを試作、提案する展示会。事前情報では『笑うクルマ』(日産デザイン本部+原デザイン研究所)が目玉として紹介されていることが多く、正直なところやや敬遠気味。しかし足を運んでみると見るべき作品が多数。実に楽しく、勉強になった。個人的には『風をはらんでふくらむテーブルクロス』(シアタープロダクツ)と『柔らかく隆起するソファ』(アントニオ・チッテリオ)、『モールディング不織布による立体マスク』(ミントデザインズ)が特に印象的。素材の持ち味を最大限に引き出しながら、さりげなくディテールにまで気の利いた作品だった。

9/27。パナソニック電工汐留ミュージアムで『建築家 坂倉準三展 モダニズムを住む - 住宅、家具、デザイン』。最終日の閉館間際に滑り込んでセーフ。坂倉準三がこれほど多くの木造住宅を手掛けていたとは全く知らなかった。コルビュジェの直弟子として学んだ経験と、日本人として身に付けたヴァナキュラーな感覚が、活動の最初期から一貫して違和感無く自然に調和している。陸屋根にもピロティにもまったく執着せず、単なるスタイルではない本質的なモダニズム建築を展開する姿勢に深く感銘を受けた。ああ不勉強が悔やまれる。

2009年10月16日 16:00 | trackbacks (0) | comments (0)
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