life
life of "love the life"

update info, 仕事してるんです : 阿佐谷銘茶楽山新店・完成写真アップ

love the lifeの最新作『阿佐谷銘茶楽山新店』の完成写真をアップしました。worksからご覧下さい。フォトグラファーは佐藤振一さん。

080601_asagayarakuzan.jpg

『阿佐谷銘茶楽山』は日本茶と海苔の製造販売を長年手掛け、JR阿佐ヶ谷駅にほど近い低層商業ビルの一角に店舗を構えていました。今回私たちが手掛けたのは、同駅北口そばのちいさな商店街沿いにある店舗付き住宅に計画された『新店』の内外装デザインです。近隣には煎餅店、米穀店、和菓子の有名店『うさぎや』など古くからの生活に密着した店舗が多く、新店の場所でも過去に精肉店、美容院、電気工事店などが営まれていました。築後50年以上を経た木造2階の建物はもともと長屋の一部で、左右の壁には隣接部を切断して土壁とトタン板で塞いだ様子が見て取れます。

2月半ば、新店の責任者である『阿佐谷銘茶楽山』二代目・古川貴則さんに案内されて訪れた26平米ほどの空間の印象は、私たちが2000年からの5年間を過ごした大田区のアトリエを彷彿させました。やはり商店街の店舗付き住宅であったあの場所は、かつて日本茶店として使われていたことがあると当時近所の方から聞きかじった話が思い出されました。目の前の現実的な要件と、不思議に重なる個人的な記憶を整理しながら、私たちは少しずつデザインを進めてゆきました。

駅からの人の流れを自然に受け止めるために、ここでは敢えて不整形な平面プランが採用されました。エントランスの木製サッシは道路に対して斜めに配置され、そのラインにブーメラン型のカウンターショーケースが呼応します。区画左右の内装造作は道路側から奥へとゆくに連れて間口を狭めるよう構成されています。エントランスゲート前面での造作の厚みはほぼゼロとなり、最大限に開放的な店構えが実現されます。その分、道路側の商品棚は幅の狭いものとなりますが、もとより奥行きの小さな商品の多い日本茶、海苔販売店においてはさほど問題ではありません。むしろ商品ディスプレイに多様性をもたらし、訪れる人の視線を店内奥へと自然に導く効果を生む合理的なプランニングであると言えます。

天井面には30cm余りの段差が設けられています。カウンターショーケースと給茶レジカウンターの連なる区画右側の造作は栓(セン)柾目の練り付けで仕上げ、天井レベルはエントランスの引戸の高さに合わせて低く抑えました。一方、主要な客動線である区画左側には2.6mの天井レベルを確保し、全面をバナナ繊維壁紙張りとしました。素材の異なる左右のエリアが間接照明を介して上下に重なり、平面を支配する斜めのラインと相まって、簡潔な折り紙を思わせる空間が立ち現れます。商品棚手前、バックヤード間仕切りの角、商品棚奥にはそれぞれ直径や長さの違うステンレスパイプが高低差をもって配置され、店内に破調のリズムを与えます。客動線の突き当たりに設けられたタペストリーミラー(サンドブラスト+フッ酸処理によって表面に均一な曇りを施された鏡)は、店内の様子を掛け軸状に切り取られた淡色の移ろいへと変換します。

カウンターショーケース内側のバックカウンターと吊戸棚の間に残った横長の壁は、ゆるやかな円弧で二分されており、各面に堀切健治氏の手で表情の異なる左官仕上げが施されています。そこには『阿佐谷銘茶楽山』オリジナルの日本茶を産する静岡の地から望む富士の裾野の光景が暗示されています。

施工担当はイカハタの清原さん、竹内さんと武田さん。準備期間の少ない中で質の高い施工を手掛けていただけたことを心より感謝します。ライティングデザインに協力して下さったのはmuse-Dの八木さん。皆様お疲れさまでした。そして、様々なデザイン上の試みを喜んで受け入れ、スケジュールの遅れを飲み込んで下さったクライアントの古川さんに敬意と感謝を表します。この店を起点に、新しい時代に通用する「町のお茶屋」のスタンダードを完成して下さることを願っています。

阿佐谷銘茶楽山新店/東京都杉並区阿佐谷北1-3-6
03-3330-0210/9:00-19:00/土休

June 10, 2008 10:00 AM | trackbacks (0) | comments (2)
comments

昨日行きましたが、目だってましたよ
蛍光灯商店街の中に電球色系の光がぐきっと
近所の人たちも参考にするかもしれませんね
大きさ的に似寄りな感じが多いし
器具なんかも一般の人が知らない器具だらけ
ですからね

posted by: kiyo : June 13, 2008 12:12 PM

>kiyoさん
お疲れさまです!今回はいつもに増してお世話になりました。今後ともぜひ宜しくお願いします!そうそう、ベースの12V20Wハロゲンはなかなか効果的でした。提案して下さったmuse-Dの八木さんに感謝。お店が繁昌して、商店街がますます面白くなれば最高ですね。

posted by: 勝野+ヤギ : June 14, 2008 3:20 AM

post a comment




*ご記入のメールアドレスはブログ管理者にのみ通知され非公開となります。



back|mail
copyright