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珈琲の美味しい店 : 表参道・蔦珈琲店

11/30。倉俣史朗展を見てから骨董通りの裏を青山通り方面へ。『蔦珈琲店』で一休み。山田守自邸(1959)のピロティ部分に設けられた自家焙煎珈琲店。開業年は不明。

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鬱蒼と蔦の絡まった煉瓦造の塀が平行にふたつ。その間をアプローチとして、『蔦珈琲店』のエントランスは少し奥まったところにある。そこは裏通りのさらに裏側だ。見上げると開放的な立面と薄いスラブ、角アールの意匠が印象的な3階建てだが、その偉容は狭い通りを普通に歩いている限りではほとんど目に入らない。

木製のドアを開けて店内へ入ると、左手にカウンター、右手にはラウンジチェアがそれぞれ4つ据えられたガラスのローテーブルがふたつ。ここは温和でおしゃべりなマスターとの会話を楽しみに来る常連客の多い店なので、私たちはいつも奥寄りのテーブルに落ち着くことにしている。その右脇は大きなガラス面。向こうに小振りな庭園がひろがる。こんもりした盛り土のまわりをいい具合にワイルドな草木が囲み、間近に大きな紅葉、向こうにはこれまた立派な桜。そこに繰り広げられる季節の縮図は、都心ではなかなか目にする機会の無いものだ。たまにしか訪れないにもかかわらず、この眺めを共有させていただけるのは大変有り難い。

コーヒーとデミタスを注文。目の覚めるような鮮やかさは無いが、香ばしくまろやか。美味い。この日は頼まなかったが、珈琲とチーズのセットはこの店ならではのメニュー。デミタスとチーズの組み合わせに感動したのは東京に住みはじめたばかりの10年ほど前のことだ。おかげでカフェブームにはほとんど目もくれず、好んで自家焙煎珈琲店に足を運ぶようになった。

苺のショートケーキも付けていただいた。これまたシンプルかつ味わい深い逸品。夕刻には品切れになることも多いが、この店はデザート類も素晴らしい。

帰り際、お釣りの小銭をいただく時に「これで土地でも買って」とマスター。近頃とんと聞かないようなジョークに思わず吹き出した。しかしこういう時にすかさず、さらに下らないジョークを返せるようでないと真に都会人とは言えないな、とつくづく思う。

蔦珈琲店/東京都港区南青山5-11-20/03-3498-6888
10:00-22:00(土祝12:00-20:00)/日休

建築家山田守研究所

2007年12月18日 04:00 | trackbacks (0) | comments (0)
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