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身体と空間の芸術 : 市川平「コンタクト・ドーム」

7/22。横須賀・カスヤの森現代美術館へ。市川平さんと西雅秋氏の展覧会『dialogue.3:形の方策』のオープニング。

市川さんの作品はメインの展示室をまるごと使った『ユニバーサル・システム』と題するインスタレーションだった。これは昨年JR仙台駅で開催された展覧会『待ち人の眼差し「駅 2006」Vol.1仙台』のために製作された作品の別バージョン。ブラックライトに照らされた蓄光のBB弾が傾斜したベルトコンベアで上方へと運ばれ、先端で透明樹脂板のレールへと落下。レールはもと来た場所へとBB弾を誘導し、一連の循環が繰り返される。重厚で単純極まりない機械のムーブメントを前にしばらく佇むと、しだいにBB弾と樹脂板のぶつかるパラパラという音が雨脚のように聞こえ、まるでマイナスイオンの立ちこめる中に居るような気分が訪れる。不思議な静謐。

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この日のもうひとつの目的は『コンタクト・ドーム・ツアー・プロジェクト』の進捗を拝見すること。2002年から数年に渡って市川さんが継続中のプロジェクト。美術館の裏の林に鉄板のドームが立ち上がりつつある。上の写真はドームへのアプローチとその外観。

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ドームの中に入って見上げると、気分は『未知との遭遇』。亜鉛メッキされた継ぎ接ぎの面と、無数に開けられた穴から漏れる光が美しい(アップの写真はこちら。右はドームの入口)。

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その空間には大人が何十人も入れる広さがある。“建造物”と言って差し支えの無いこの立体作品を、市川さんはほとんど一人でつくり続けている。製作開始から5年を経て、脚もとは苔むしつつあった。

『コンタクト・ドーム』はこの秋に完成予定とのこと。今から楽しみだ。

市川 平・西 雅秋「dialogue.3:形の方策」(カスヤの森現代美術館)

2007年08月01日 23:00 | trackbacks (0) | comments (0)
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