
love the lifeの最新作『studio graphia 丸の内店』の完成写真をアップしました。worksからご覧下さい。フォトグラファーは佐藤振一さん。

『studio graphia 丸の内店』を運営するマークスは1986年にエディトリアルデザイン会社としてはじまり、その後ステーショナリー製造を開始。現在関東圏を中心にいくつかの直営店を展開しており、特にこの店では自社製品に加えてバッグ、時計、書籍など、ユニセックスなテイストを持つデザイン性の高い商品が幅広く扱われています。
私たちはクライアントが主として紙製品と、紙を媒体とするクリエイティブワークを扱う企業であることに着目しました。紙の主原料は木材チップからなるパルプであり、木材は山林から生まれます。私たちはプランを進める上で、先ず最初に店の最奥を壁一面の雛壇什器とすることを決めました。その形状とスケールには山林の姿が暗示され、その配置によって店は共用通路に対する明確な正面性を得ます。
店内は向かって左側の白い空間と、右側のダークグレーの空間とに大きく二分されています。左側には間接光を多用することで茫洋としたひろがりを与え、右側には逆に陰影を強調するライティングを施しました。また、双方の空間にはスチールパイプにクロームメッキを施した折線形の造作が、それぞれに異なる姿で配置されています。これと言った機能を持たないふたつの造作がスクエアな空間に破調をもたらしながら互いに向かい合う構図は、俵屋宗達の画として多くの人々に記憶される風神雷神図屏風(1600年代初頭)の二曲一双の姿を参照したものです。それらはまさに山林を取り巻く万象の寓意に他なりません。
この店の空間に根ざした感性は、ユニバーサルであると同時に極めて日本的であると言えます。その象徴性は様々な商品が並べられ多くの人々が訪れることでより一層強さを増すでしょう。やがてこの店が、丸の内のちいさな遊山の場として記憶されることを心から願っています。
施工はCAリーディングの田代さんと米澤さんと藤倉さん。長引く現場をへこたれずにおつき合い下さったことに心から感謝致します。次回があれば、さらに良いものができるようお互い頑張りましょう。
studio graphia 丸の内店/東京都千代田区丸の内1-5-1新丸の内ビルディング4F
03-3211-5301/11:00-21:00(日-20:00)/無休